
小論文の結論の書き方|まとめ方のコツ・NGパターン・例文を高校生向けに徹底解説
小論文を書いていて、「序論と本論は書けたのに、結論でどう締めればいいかわからない」と悩んでいる高校生はとても多いです。結論は小論文全体の印象を左右する重要なパートです。ここがうまくまとまっていないと、どれだけ本論が充実していても採点者に「論が完結していない」という印象を与えてしまいます。この記事では、小論文の結論の書き方・まとめ方のコツをNGパターンや例文とあわせて高校生向けにわかりやすく解説します。
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小論文における「結論」の役割とは
小論文の結論は、単に「以上が私の意見です」と書き添えるだけのパートではありません。結論には、論文全体を締めくくる重要な役割が3つあります。
① 主張を再確認する
序論で提示した問いかけや立場に対して、本論での議論を経てどのような答えを導き出したかを改めて示します。読者(採点者)が「この人はこういう主張をしていたのだな」と確認できる場所です。
② 論全体に一貫性を持たせる
序論・本論・結論の3つが有機的につながっていることを示すのが結論の役割の一つです。本論で述べた根拠や具体例が、結論の主張を支えているという流れを明確にします。
③ 読後感を整える
採点者が最後に読む部分が結論です。「なるほど、よく考えられた論文だ」と感じてもらえるような締め方ができれば、全体の評価が上がります。逆に結論が散漫だと、本論がどれだけ良くても印象が下がってしまいます。
小論文の基本的な構成については、▶ 小論文の段落構成を徹底解説|序論・本論・結論の分け方と文字数配分のコツ【高校生向け】 でも詳しく解説しています。あわせて確認してみてください。
結論の適切な文字数と全体に占める割合
結論に割くべき文字数は、小論文全体の文字数によって変わります。一般的な目安は以下のとおりです。
小論文の総文字数 | 結論の目安文字数 | 全体に占める割合 |
|---|---|---|
400字 | 60〜80字 | 約15〜20% |
600字 | 80〜120字 | 約15〜20% |
800字 | 100〜160字 | 約12〜20% |
1000字以上 | 150〜200字 | 約15〜20% |
結論は序論と同程度か、やや短めが理想的です。結論に文字数をかけすぎると、本論が薄くなってしまいます。また、逆に結論が極端に短いと「論がまとまっていない」と判断されることがあります。800字の小論文であれば、結論は100〜160字程度を目安にしましょう。
結論の書き方:3つの基本ステップ
結論をどのように書けばよいか、3つのステップに分けて解説します。
ステップ1:序論の主張を言い換えて再提示する
結論の冒頭では、序論で示した自分の立場・主張を「言い換え」て再確認します。まったく同じ文章をコピーするのではなく、本論での議論を踏まえた上で、より深みのある表現で書き直すのがポイントです。
例えば、序論で「私はSNSの利用制限に賛成である」と書いていた場合、結論では「以上の理由から、未成年のSNS利用には適切な制限が必要であると考える」のように、本論の内容を反映した表現に変えます。
ステップ2:本論の根拠を1〜2文で凝縮する
本論で述べた根拠・具体例を、結論で短くまとめます。すべての根拠を列挙するのではなく、最も重要な点を1〜2文に凝縮するのがコツです。「なぜなら〜だからである」「〜という点で明らかなように」といった接続表現を使うと、本論とのつながりが明確になります。
ステップ3:展望・提言・問いかけで締める
結論の最後は、自分の主張を踏まえた「今後の展望」や「社会への提言」、あるいは「読者への問いかけ」で締めると、論に奥行きが生まれます。「今後〜が求められる」「私たちは〜について考え続けなければならない」といった表現が使いやすいです。ただし、新しい論点を唐突に持ち出すのはNGです。あくまで本論の延長線上にある展望を述べましょう。
序論と結論のつながりを意識するコツ
小論文で最もよくある失敗の一つが、「序論と結論がバラバラ」というものです。序論で「賛成」の立場を示したのに、結論では「どちらとも言えない」と書いてしまうケースや、序論で提示した問いに結論で答えていないケースがこれにあたります。
序論と結論のつながりを保つためには、「序論で立てた問い→本論で論拠を展開→結論でその問いに答える」 という流れを意識することが重要です。
具体的には、結論を書く前に序論を読み返す習慣をつけましょう。「序論でどんな問いを立てたか」「どんな立場を示したか」を確認してから結論を書くと、論の一貫性が保ちやすくなります。また、序論で使ったキーワードを結論でも意識的に使うことで、論全体がまとまって見えます。
▶ 小論文の書き方【初心者向け】ゼロから始める基本ルール・手順・よくある失敗を徹底解説 も参考にしながら、序論から結論までの流れを整理してみてください。
結論の例文:テーマ別に3パターン紹介
実際の結論がどのように書かれるか、テーマ別に例文を紹介します。
例文①:「AI技術の発展と人間の仕事」(800字想定)
> 以上の議論から、AI技術の発展は人間の仕事を奪うのではなく、人間がより創造的な業務に集中できる環境を整えるものであると考える。AIが単純作業を担うことで生まれた時間と余力を、人間にしかできない思考や感情を伴う仕事に充てることが、これからの社会に求められる姿勢である。私たちはAIを脅威として恐れるのではなく、共存のあり方を主体的に模索していくべきだろう。
ポイント:序論で示した「AIは仕事を奪わない」という立場を再提示し、本論の根拠(創造的業務への集中)を凝縮した上で、「共存の模索」という展望で締めています。
例文②:「環境問題と個人の責任」(600字想定)
> 環境問題の解決には、政策や企業の取り組みだけでなく、一人ひとりの意識と行動が不可欠である。プラスチック削減や省エネルギーといった日常的な選択の積み重ねが、地球規模の変化につながることを、私たちは改めて認識しなければならない。持続可能な社会の実現は、個人の責任感から始まると私は確信している。
ポイント:「個人の責任」というテーマに対して、具体的な行動例(プラスチック削減・省エネ)を短く盛り込み、力強い締めの一文で終わっています。
例文③:「読書の必要性」(400字想定)
> 以上のことから、読書は情報収集の手段にとどまらず、思考力や共感力を育む不可欠な習慣であると言える。デジタル化が進む現代だからこそ、活字と向き合う時間を意識的に作ることが重要である。
ポイント:400字という短い小論文を想定しているため、結論も簡潔にまとめています。展望を1文で示すだけで十分な場合もあります。
結論で絶対にやってはいけないNGパターン5選
結論の書き方を知るうえで、「やってはいけないこと」を把握しておくことも重要です。以下の5つのNGパターンに注意してください。
NGパターン①:新しい論点を突然持ち出す
結論で初めて登場する話題や根拠を持ち出すのは厳禁です。結論は本論の内容を締めくくる場所であり、新しい議論を展開する場所ではありません。
NGパターン②:「〜と思います」で終わる
「〜と思います」「〜かもしれません」などの曖昧な表現は、主張の弱さを印象づけます。小論文では「〜である」「〜と考える」「〜と確信する」のように断定的な表現を使いましょう。
NGパターン③:序論と矛盾する結論を書く
序論で「賛成」と書いたのに、結論で「どちらとも言えない」と書くのは論理的な矛盾です。立場を途中で変えてしまうと、論全体の信頼性が下がります。
NGパターン④:本論の内容をただ繰り返すだけ
結論は本論の単純なコピーであってはなりません。本論で述べた内容を「凝縮・昇華」させて、より高い視点からまとめるのが理想です。
NGパターン⑤:結論が極端に短すぎる・長すぎる
「以上が私の意見です」の1行で終わるのは短すぎます。一方で、結論が400字を超えるような長さになると、本論との比率が崩れます。適切な文字数を意識しましょう。
小論文の採点者がどのような点を見ているかについては、▶ 小論文の採点基準を徹底解説|採点者が見るポイント・減点項目・合格答案の条件【総合型選抜対応】 も参考にしてください。
総合型選抜の小論文で結論を書く際の注意点
総合型選抜の小論文では、一般的な小論文と比べてより「自分の考え・経験」が求められる傾向があります。そのため、結論においても「自分はどうするか」「自分はどう関わっていくか」という主体性を示すことが評価につながります。
例えば、「医療の課題」をテーマにした小論文の結論であれば、「私は将来、地域医療に携わる医師として〜に取り組んでいきたい」のように、自分の志望と結びつけた締め方が効果的です。これは志望理由書と小論文の一貫性を保つ意味でも重要です。
また、総合型選抜では出願書類との整合性も見られます。小論文の結論で述べた「将来像」や「社会への問題意識」が、志望理由書の内容と大きくずれていると、面接で矛盾を指摘されることもあります。
総合型選抜の小論文対策全般については、▶ 総合型選抜の小論文対策|書き方・構成・頻出テーマを徹底解説【例文付き】 で詳しく解説しています。
結論を書く前にやるべき「逆算チェック」
多くの高校生が結論で詰まる理由の一つは、「結論から逆算して小論文を設計していない」ことです。実は、上手な書き手は序論を書く前に「どんな結論を書くか」をある程度決めています。
結論を先に決めると、本論でどんな根拠を展開すればよいかが明確になり、論全体に一貫性が生まれます。小論文を書き始める前に、まず「自分はこのテーマに対してどういう結論を出したいか」を30字程度でメモしておく習慣をつけてみましょう。
また、結論を書き終えたら以下のチェックリストで確認してみてください。
チェック項目 | 確認ポイント |
|---|---|
序論との一致 | 序論で示した立場と結論が矛盾していないか |
本論との連動 | 本論の根拠が結論に反映されているか |
新論点の有無 | 結論で初めて登場する話題がないか |
表現の強さ | 「〜と思います」などの曖昧表現を使っていないか |
文字数のバランス | 結論が全体の15〜20%程度に収まっているか |
展望・提言 | 今後の展望や提言が1文以上含まれているか |
▶ 小論文の練習方法完全ガイド|毎日できるトレーニング・独学での上達ステップを高校生向けに解説 では、結論を含む小論文全体の練習法を解説しています。日々のトレーニングにぜひ役立ててください。
まとめ
小論文の結論は、論文全体の印象を決める重要なパートです。この記事で解説したポイントを改めて整理します。
- 結論の役割は「主張の再確認」「論の一貫性を示す」「読後感を整える」の3つ
- 文字数の目安は全体の15〜20%(800字なら100〜160字程度)
- 書き方の基本ステップは「主張の再提示→根拠の凝縮→展望・提言」
- 序論と結論のつながりを保つために、結論を書く前に序論を読み返す
- NGパターン(新論点・曖昧表現・矛盾・単純な繰り返し・文字数の偏り)を避ける
- 総合型選抜では「自分の主体性・志望との連動」を結論に盛り込む
- 結論を先に決めてから小論文を設計する「逆算思考」が効果的
結論は「最後に書くもの」ではなく「最初に考えるもの」という意識を持つことで、小論文全体のクオリティが大きく上がります。ぜひ今日から実践してみてください。
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この記事を書いているのは
坂本浩一 ❘ 東京大学卒・総合型選抜対策専門
東京大学卒。総合型選抜専門塾にて小論文・志望理由書・面接対策を中心に多数の受験生を指導。これまでに難関国公立・私立大学への合格者を多数輩出してきた。総合型選抜において重要なのは「表現力」ではなく「思考力と一貫性」であるという信念のもと、再現性のある指導を徹底。大学入試改革やAI活用にも精通し、現在は株式会社mugendAIにて総合型選抜対策AIの監修を担当。受験生が“本質的に考える力”を身につける支援を行っている。