
志望理由書の例文集|文系・理系・800字など学部・文字数別に良い例・悪い例を徹底解説【総合型選抜】
総合型選抜の合否を大きく左右する志望理由書。「何を書けばいいかわからない」「例文を見ながら自分の文章を作りたい」と悩む受験生は非常に多いです。この記事では、文系・理系・800字など学部・文字数別の具体的な例文を紹介しながら、良い例と悪い例の違いをわかりやすく解説します。コピペして使うのではなく、例文を参考にしながら自分だけの志望理由書を完成させましょう。
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志望理由書の基本構成を確認しよう
例文を見る前に、まず志望理由書の基本的な構成を押さえておきましょう。どんな学部・文字数でも、以下の4つの要素を盛り込むことが合格につながる志望理由書の鉄則です。
構成要素 | 内容の目安 | 文字数の目安(800字の場合) |
|---|---|---|
①きっかけ・問題意識 | なぜこの分野に興味を持ったか | 150〜200字 |
②学びたいこと | 大学・学部で何を学びたいか | 200〜250字 |
③大学を選んだ理由 | なぜこの大学・学部でなければならないか | 150〜200字 |
④将来の展望 | 卒業後にどう社会に貢献したいか | 150〜200字 |
この4要素を「ストーリー」としてつなげることが重要です。単に「〇〇が好きだから」「〇〇大学に入りたいから」と並べるだけでは、審査官の心には刺さりません。自分の経験から生まれた問題意識が、学びへの意欲につながり、将来の夢へと結びついている——そういう一本筋の通った文章が高く評価されます。
▶ 志望理由書の書き方完全ガイド|高校生向けに構成・例文・NG例まで徹底解説
【文系】志望理由書の例文と解説
良い例(法学部・約400字)
「高校2年生のとき、ニュースで少年犯罪の量刑をめぐる議論を目にしました。被害者遺族の声と更生を求める声が交錯するなかで、『法律は誰のためにあるのか』という問いが頭から離れなくなりました。この疑問を解決したいと思い、法律の基礎から学ぶために、貴学法学部を志望しました。貴学では刑事法ゼミが充実しており、模擬裁判の授業を通じて実践的な法的思考力を養えると知りました。将来は少年事件を専門とする弁護士として、社会的に弱い立場にある子どもたちの権利を守る仕事に就きたいと考えています。そのために、貴学の充実した法律クリニック制度を活用しながら、理論と実務の両面から法律を学び抜く覚悟があります。」
この例文が良い理由は、①具体的な経験(ニュースを見た体験)、②問いの設定(法律は誰のためか)、③大学選びの根拠(刑事法ゼミ・模擬裁判)、④将来像(少年事件専門の弁護士)がすべて有機的につながっているからです。読み手が「なるほど、だからこの大学でなければならないんだ」と納得できる構成になっています。
悪い例(法学部・約400字)
「私は法律に興味があります。テレビドラマで弁護士が活躍する場面を見て、かっこいいと思いました。貴学は有名な大学であり、就職実績も良いと聞いています。また、キャンパスが広くて環境も良いと思います。将来は法律に関わる仕事をしたいと思っています。貴学に入学できれば一生懸命勉強します。どうぞよろしくお願いします。」
この例文の問題点は複数あります。まず「テレビドラマでかっこいいと思った」は志望動機として浅すぎます。次に「有名な大学」「就職実績が良い」という理由は、その大学でなければならない理由になっていません。「一生懸命勉強します」という意気込みだけでは、審査官は何も判断できません。具体性がゼロで、どの大学にも使い回せる内容になっています。
【理系】志望理由書の例文と解説
良い例(工学部・情報系・約400字)
「中学3年生のとき、祖父が認知症と診断されました。毎日の服薬管理が難しくなった祖父を見て、テクノロジーで解決できないかと考えるようになりました。高校では独学でPythonを学び、服薬リマインダーアプリを試作しました。しかし機械学習の知識が不足していると感じ、より高度なAI技術を体系的に学びたいと思い、貴学情報工学科を志望しました。貴学では医療×AIの研究室が複数あり、特に〇〇教授の生活支援AIの研究に強く惹かれています。在学中は研究室に所属し、高齢者の生活を支えるAIシステムの開発に取り組みたいと考えています。将来は医療テクノロジー分野のエンジニアとして、超高齢社会の課題解決に貢献したいと思っています。」
理系の志望理由書では「なぜその研究をしたいのか」という動機の具体性と、「その大学・研究室でなければならない理由」が特に重要です。この例文では、祖父の経験→自主的な行動(アプリ試作)→限界の認識→大学での学びへの接続、という流れが明確で説得力があります。
悪い例(工学部・情報系・約400字)
「私は昔からゲームが好きで、将来はゲームを作る仕事をしたいと思っています。情報工学を学べば、ゲームが作れると思いました。貴学は情報系の学部があるので志望しました。プログラミングはまだあまり得意ではありませんが、入学してから頑張ります。貴学の授業は充実していると聞いているので、しっかり勉強したいと思います。」
「ゲームが好き」という動機自体は悪くありませんが、それ以上の掘り下げがありません。「なぜゲームを作りたいのか」「どんなゲームを作りたいのか」「そのためにどんな技術が必要か」という思考の深さが求められます。また「まだあまり得意ではない」という表現は、入学意欲を自ら下げてしまっています。
▶ 志望理由書の書き始め方|冒頭の一文・書き出し例文と「つかみ」のコツを高校生向けに解説
【800字】志望理由書の例文(教育学部)
800字は総合型選抜でもっとも多い文字数指定です。以下に教育学部向けの800字例文を示します。
「私が教育に関心を持ったきっかけは、中学2年生のときに経験した不登校です。3ヶ月間学校に行けなかった私を救ってくれたのは、週1回自宅に来てくれた担任の先生でした。先生は私の話をただ聞いてくれるだけでしたが、その時間が私にとって学校に戻る力をくれました。この経験から、『教育とは知識を教えることだけではなく、子どもの心に寄り添うことだ』と気づき、将来は自分が経験したような子どもたちを支える教師になりたいと思うようになりました。
しかし、教師になりたいという気持ちだけでは不十分だと感じ、高校では生徒会の副会長として後輩の相談に乗る活動を続けました。また、地域の学習支援ボランティアに2年間参加し、勉強が苦手な中学生に週1回の学習サポートを行いました。この活動を通じて、子どもたちの「わかった!」という瞬間の喜びを何度も経験し、教育への思いはさらに強くなりました。
貴学教育学部を志望する理由は、教育心理学と特別支援教育の両方を学べる環境が整っているからです。特に〇〇教授の「不登校支援における教師の役割」に関する研究は、私自身の経験とも深く重なり、ぜひゼミで学びたいと思っています。また、3年次からの教育実習が年間を通じて行われる点も、実践力を高めたい私にとって大きな魅力です。
将来は中学校の教師として、特に学校に居場所を見つけられない子どもたちに寄り添える存在になりたいと考えています。私自身が経験した『誰かに話を聞いてもらえる安心感』を、今度は自分が子どもたちに提供できる教師を目指します。貴学での4年間で教育の理論と実践を深く学び、子どもたちの未来を支える力を身につけたいと思っています。」(約800字)
この例文のポイントは、冒頭の「不登校経験」という強いエピソードから始まり、そこから具体的な行動(ボランティア・生徒会)、大学選びの根拠(特定の教授・教育実習の特徴)、将来像まで一貫したストーリーが流れていることです。
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志望理由書の例文をコピペして使う際の注意点
「例文をそのままコピペして使っていいですか?」という質問をよく受けます。答えは「絶対にNG」です。その理由を3つ説明します。
①審査官にすぐバレる
大学の審査官は毎年何百〜何千枚もの志望理由書を読んでいます。インターネットで公開されている例文は審査官も知っていることが多く、「どこかで見た文章」と判断された瞬間に評価が大きく下がります。
②面接で詰められる
志望理由書に書いた内容は、面接で必ず深掘りされます。自分で考えていない文章を書いていると、「なぜそう思ったのですか?」「具体的にはどういうことですか?」という質問に答えられなくなります。
③自分の強みが消える
例文はあくまでも「他の誰か」の経験と思いで書かれています。コピペすることで、あなた自身の独自のエピソードや強みが消えてしまい、審査官の印象に残らない文章になります。
正しい例文の使い方は、「構成・流れ・表現のパターン」を参考にすることです。「こういう順番で書けばいいんだ」「こういう言い回しが使えるんだ」という学びを得て、自分の経験・言葉に置き換えて書くのが正解です。
▶ 自己分析で過去の経験を深掘りする方法|「なぜ?」を繰り返してエピソードを総合型選抜に活かす手順を解説
志望理由書のテンプレート|高校生向け穴埋め式
以下のテンプレートに自分の情報を当てはめることで、志望理由書の骨格を作ることができます。
【書き出し:きっかけ】
「私が〇〇(学問分野)に関心を持ったのは、〇〇(具体的な経験・出来事)がきっかけです。その経験から、〇〇(問題意識・疑問)を強く感じるようになりました。」
【学びたいこと】
「この問いを解決するために、〇〇(学びたい内容・スキル)を体系的に学ぶ必要があると考えました。特に〇〇(具体的な分野・手法)について深く研究したいと思っています。」
【大学を選んだ理由】
「貴学〇〇学部を志望する理由は、〇〇(大学独自の特徴:ゼミ・教授・プログラム)があるからです。特に〇〇(具体的な教授名・授業名・研究内容)は、私の関心と深く一致しています。」
【将来の展望】
「卒業後は〇〇(具体的な職業・活動)として、〇〇(社会への貢献)に取り組みたいと考えています。貴学での学びを通じて、〇〇(身につけたいスキル・知識)を習得し、その目標を実現します。」
このテンプレートはあくまでも骨格です。各パートに自分の具体的な経験・数字・エピソードを肉付けしていくことで、オリジナルの志望理由書が完成します。
▶ 自己分析ノートの書き方|高校生向けにまとめ方・テンプレ・志望理由書への活かし方を解説
良い志望理由書と悪い志望理由書の違いまとめ
最後に、良い例と悪い例の違いを表で整理します。
比較ポイント | 良い例 | 悪い例 |
|---|---|---|
きっかけ | 具体的な体験・出来事がある | 「好きだから」「テレビで見た」程度 |
大学選びの理由 | 特定のゼミ・教授・制度を挙げている | 「有名だから」「環境が良い」など一般論 |
将来像 | 職業・社会貢献が具体的 | 「関係する仕事をしたい」と曖昧 |
一貫性 | 経験→学び→将来がつながっている | 各パートがバラバラで脈絡がない |
言葉の具体性 | 数字・固有名詞・エピソードがある | 抽象的な表現ばかり |
独自性 | その人にしか書けない内容 | どの大学・誰にでも使い回せる内容 |
まとめ
志望理由書の例文は、「コピペして使うもの」ではなく「書き方を学ぶための教材」です。この記事で紹介した文系・理系・800字の例文を参考に、以下の3ステップで自分だけの志望理由書を書いてみましょう。
1. 自己分析をする:なぜその分野に興味を持ったのか、自分の経験を深掘りする
2. 大学調査をする:志望校のゼミ・教授・プログラムを具体的に調べる
3. テンプレートに当てはめる:構成を意識しながら自分の言葉で書く
良い志望理由書は「その人にしか書けない文章」です。例文を参考にしながら、あなた自身の経験・言葉・熱意を込めた志望理由書を完成させてください。
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この記事を書いているのは
坂本浩一 ❘ 東京大学卒・総合型選抜対策専門
東京大学卒。総合型選抜専門塾にて小論文・志望理由書・面接対策を中心に多数の受験生を指導。これまでに難関国公立・私立大学への合格者を多数輩出してきた。総合型選抜において重要なのは「表現力」ではなく「思考力と一貫性」であるという信念のもと、再現性のある指導を徹底。大学入試改革やAI活用にも精通し、現在は株式会社mugendAIにて総合型選抜対策AIの監修を担当。受験生が“本質的に考える力”を身につける支援を行っている。