アオマル

小論文で反論・譲歩を書く方法|「確かに〜しかし」構文の使い方と例文を高校生向けに解説

小論文を書いているとき、「自分の意見だけ書けばいいのかな?」「反論ってどうやって使えばいいの?」と悩んでいる高校生は多いはずです。実は、小論文で高得点を取るためには、反論・譲歩の技術が非常に重要です。自分の主張を一方的に述べるだけでは説得力が弱く、採点者に「この受験生はものごとを一面的にしか見ていない」と判断されてしまいます。反論・譲歩を上手に使うことで、文章の論理的な深みが増し、説得力が格段にアップします。この記事では、小論文における反論・譲歩の書き方を、具体的な構文・例文とともにわかりやすく解説します。

総合型選抜対策アプリ「アオマル」では、志望理由書の添削・面接対策・自己分析など、合格に必要な対策をAIがサポートします。

アオマルとは?詳しくはこちら

小論文で反論・譲歩が必要な理由

小論文は「自分の意見を述べる文章」ですが、だからといって自分の主張だけを一方的に書けばよいわけではありません。なぜ反論・譲歩が必要なのかを、まず理解しておきましょう。

採点者(大学教授や入試担当者)は、受験生が「多角的な視点でものごとを考えられるか」を重視しています。たとえば「SNSの利用を高校生に制限すべきか」というテーマがあったとき、「制限すべきです。なぜなら〜」と自分の意見だけを述べる答案より、「確かにSNSには学習の妨げになるという側面もあります。しかし〜」と相手の立場を一度認めたうえで自分の主張を展開する答案のほうが、論理的な成熟度が高いと評価されます。

また、反論・譲歩を使うことで、文章の構成が自然と「起承転結」に近い流れになり、読み手にとって理解しやすい文章になります。小論文の採点基準として「論理的一貫性」「説得力」が挙げられることが多いですが、反論・譲歩はまさにその両方を高める技術です。

小論文の採点基準を徹底解説|採点者が見るポイント・減点項目・合格答案の条件【総合型選抜対応】

総合型選抜の小論文では特に、「自分の考えを深く掘り下げられているか」が問われます。反論・譲歩を活用することは、総合型選抜の小論文対策においても非常に効果的な戦略です。

「確かに〜しかし」構文とは?譲歩構文の基本を理解しよう

反論・譲歩の書き方でもっともよく使われるのが、「確かに〜しかし」構文(譲歩構文)です。この構文の仕組みをしっかり理解しましょう。

譲歩構文の基本構造

譲歩構文とは、「相手の意見や反対意見を一度認めたうえで(=譲歩)、自分の主張を展開する(=反論)」という構造です。

役割

使う接続表現の例

譲歩(相手の意見を認める)

確かに/なるほど/もちろん/たしかに〜という意見もある

反論(自分の主張を述べる)

しかし/だが/それでも/とはいえ/一方で

この構文の最大のポイントは、「相手の意見を否定するのではなく、一度受け入れてから自分の意見に転換する」という点です。単純に「〜という意見は間違いです」と否定するのではなく、「確かにその側面はある。しかし〜」と認めることで、読み手に対して公平な視点を持っていることを示せます。

譲歩構文の使い方ステップ

1. 相手の意見(反対意見)を具体的に提示する:「確かに、〇〇という意見もある」
2. その意見の正当性を認める:「この点については一定の理解ができる」
3. 逆接の接続詞で転換する:「しかし、」「だが、」
4. 自分の主張を明確に述べる:「〜と考える。なぜなら〜」

この4ステップを意識するだけで、格段に説得力のある文章になります。

小論文の段落構成を徹底解説|序論・本論・結論の分け方と文字数配分のコツ【高校生向け】

反論の書き方|具体的な例文で確認しよう

ここでは、実際の小論文テーマを使って、反論・譲歩の例文を見ていきましょう。

例文①「SNSの利用を高校生に制限すべきか」

テーマ:高校生のSNS利用を学校が制限すべきかどうか、あなたの意見を述べなさい。

反論・譲歩を使った例文(本論部分)

「確かに、SNSの過度な利用は学習時間の減少や睡眠不足につながるという指摘は理解できる。実際、ある調査によると、スマートフォンを1日3時間以上使用する高校生の学習時間は、1時間未満の生徒と比べて平均40分短いというデータも存在する。この点において、SNS利用を一定程度制限することには合理的な根拠がある。しかし、SNSの利用を学校が一律に制限することは、生徒の自律性や情報収集能力の発達を妨げる可能性がある。SNSは今や社会生活に不可欠なツールであり、適切な使い方を学ぶ機会を奪うことは、かえって長期的なデジタルリテラシーの低下を招く恐れがある。したがって、制限よりも適切な利用方法を教育する指導が求められると考える。」

この例文のポイントは、反対意見(制限すべき)の根拠として具体的な数字データを使っていることです。譲歩する際も「なんとなく認める」のではなく、具体的な根拠を示して認めることで、自分の主張の信頼性も高まります。

例文②「人工知能(AI)は人間の仕事を奪うか」

テーマ:AI技術の発展は人間の雇用を脅かすか、あなたの考えを述べなさい。

反論・譲歩を使った例文(本論部分)

「確かに、AIによる自動化が進むことで、単純作業や定型業務を中心に多くの職種が代替されるという懸念は現実的である。世界経済フォーラムの試算では、2025年までに約8500万の仕事が機械に置き換えられる可能性があるとされており、この数字は無視できない。しかし、同時に9700万の新たな職種が生まれるとも予測されている。歴史を振り返れば、産業革命期にも機械化による失業が懸念されたが、実際には新たな産業と雇用が生まれた。AIの発展は雇用の「消滅」ではなく「変容」をもたらすものであり、重要なのは変化に対応できるスキルを身につけることだと考える。」

反論を書く際の注意点

反論・譲歩を書くときに多い失敗が、「譲歩の部分が長すぎて、自分の主張が弱くなる」というパターンです。譲歩はあくまで「自分の主張を際立たせるための前置き」です。文字数の目安としては、譲歩部分が全体の20〜30%、自分の主張部分が70〜80%になるようにバランスを取りましょう。

小論文の書き方【初心者向け】ゼロから始める基本ルール・手順・よくある失敗を徹底解説

小論文全体の構成における反論・譲歩の位置づけ

反論・譲歩は小論文のどこに入れるべきか、構成全体の中での位置づけを確認しましょう。

基本的な小論文構成と反論・譲歩の配置

一般的な小論文の構成は「序論→本論→結論」の3部構成です。反論・譲歩は主に本論の中に入れます。

序論(全体の約15〜20%):問いに対する自分の立場・主張を明確にする。

本論(全体の約60〜70%):主張の根拠を述べる。ここに反論・譲歩を入れる。
- まず自分の主張の根拠①を述べる
- 次に「確かに〜しかし」構文で反論・譲歩を展開する
- さらに根拠を補強する

結論(全体の約15〜20%):主張を再確認し、まとめる。

反論・譲歩を本論の中盤に入れることで、文章の流れが「主張→根拠→反論への対応→主張の強化」という論理的な流れになり、読み手を自然に説得できます。

小論文の結論の書き方|まとめ方のコツ・NGパターン・例文を高校生向けに徹底解説

反論・譲歩を入れるタイミングの目安

800字の小論文であれば、本論の中盤(400〜500字あたり)に譲歩構文を入れるのが自然です。1200字以上の場合は、本論の中に2回程度、異なる観点から反論・譲歩を入れることで、より深みのある論文になります。

総合型選抜の小論文で使える反論・譲歩のバリエーション

「確かに〜しかし」だけが譲歩構文ではありません。表現のバリエーションを増やすことで、文章の単調さを防ぎ、語彙力もアピールできます。

よく使われる譲歩・反論の表現一覧

譲歩の表現

反論の表現

確かに〜

しかし/だが

なるほど〜

とはいえ/それでも

もちろん〜

しかしながら

〜という側面もある

一方で/他方で

〜を否定するわけではない

ただし〜

〜という意見も理解できる

しかし本質的には〜

これらの表現を使い分けることで、同じ構文の繰り返しを避け、読みやすい文章になります。特に「もちろん〜しかしながら」は、フォーマルな印象を与えるため、大学入試の小論文に適した表現です。

反論の深め方:「なぜ反論できるのか」を明示する

反論を書く際に多い失敗が、「しかし、私はそう思いません」という感情的な否定です。反論には必ず論理的な根拠が必要です。

「なぜ相手の意見では不十分なのか」「何が見落とされているのか」「どんな反証データがあるのか」を具体的に示すことが、説得力ある反論の条件です。たとえば「確かに〜という意見もある。しかし、この見方は〇〇という視点が欠けている。実際に〜というデータを見ると〜」という形で、反論の根拠を丁寧に示しましょう。

テーマ型小論文の書き方|例題と解答例でわかる思考プロセスと構成の基本

総合型選抜の小論文で反論・譲歩を使う際の実践ポイント

総合型選抜の小論文は、一般入試の小論文と比べて「自分の経験や考えを深く掘り下げる」ことが求められる場合が多いです。反論・譲歩を使う際も、単なるテクニックとして使うのではなく、自分の考えを深める手段として活用しましょう。

事前に「反対意見」をリストアップする練習

小論文を書く前に、テーマに対する「反対意見」を3つ以上書き出す練習をしましょう。たとえば「地方移住を推進すべきか」というテーマなら、「交通の不便さ」「雇用機会の少なさ」「教育環境の格差」などが反対意見として挙げられます。これらを事前にリストアップしておくことで、本番でも迷わず譲歩構文を使えるようになります。

過去問や練習問題での反復練習が最も効果的

反論・譲歩の技術は、知識として知っているだけでは身につきません。実際に書いて、添削を受けることが上達への近道です。週に1〜2本のペースで練習問題に取り組み、書いた文章を見直す習慣をつけましょう。

小論文の練習方法完全ガイド|毎日できるトレーニング・独学での上達ステップを高校生向けに解説

また、総合型選抜では小論文以外にも志望理由書や面接が重要です。小論文で培った「論理的に考える力」は、面接での質問への回答にも活きてきます。

まとめ

小論文で反論・譲歩を使いこなすことは、説得力のある文章を書くための核心的なスキルです。今回の内容を整理すると、以下のポイントが重要です。

- 反論・譲歩は「自分の主張を際立たせるための技術」であり、使うことで多角的な視点をアピールできる
- 「確かに〜しかし」構文(譲歩構文)が基本で、表現のバリエーションを持つと文章が豊かになる
- 譲歩部分は全体の20〜30%に抑え、自分の主張の根拠を丁寧に展開することが大切
- 反論には必ず論理的な根拠(データ・具体例)を添える
- 本論の中盤に配置するのが構成上の基本

総合型選抜の小論文では特に、自分の考えを深く掘り下げる力が評価されます。反論・譲歩の技術を身につけることで、採点者に「この受験生は論理的に考えられる」という印象を与えることができます。ぜひ今日から練習を始めてみてください。

アオマルでは、今回紹介した対策をAIと一緒に実践できます。まずは無料トライアルでお試しください。

アオマル無料トライアルはこちら

この記事を書いているのは

坂本浩一 ❘ 東京大学卒・総合型選抜対策専門

東京大学卒。総合型選抜専門塾にて小論文・志望理由書・面接対策を中心に多数の受験生を指導。これまでに難関国公立・私立大学への合格者を多数輩出してきた。総合型選抜において重要なのは「表現力」ではなく「思考力と一貫性」であるという信念のもと、再現性のある指導を徹底。大学入試改革やAI活用にも精通し、現在は株式会社mugendAIにて総合型選抜対策AIの監修を担当。受験生が“本質的に考える力”を身につける支援を行っている。

HOME