
志望理由書で使ってはいけないNGワード・ありきたり表現一覧|よくある失敗パターンと言い換え例を高校生向けに解説
「志望理由書を書いたけど、なんかありきたりに見える…」「先生に『弱い』と言われたけど、どこが問題なのかわからない」と悩んでいませんか?実は、多くの受験生が無意識のうちに"審査員に刺さらない表現"を使ってしまっています。総合型選抜の志望理由書は、毎年何百・何千枚と読まれる書類です。その中で埋もれてしまう原因の多くが、特定のNGワードや使い回しのきく表現にあります。この記事では、志望理由書で避けるべき表現・言葉・書き方のパターンを具体例つきで徹底解説します。
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なぜ志望理由書に「ありきたり表現」が生まれるのか
志望理由書を書く際、多くの高校生がインターネットや参考書の例文を参考にします。それ自体は悪いことではありませんが、そこで使われている表現をそのまま流用してしまうと、審査員の目には「どこかで見た文章」として映ってしまいます。
たとえば「貴校の充実した環境に魅力を感じました」「グローバルな人材になりたいと思っています」「社会に貢献できる人間になりたい」といった表現は、毎年数え切れないほどの志望理由書に登場します。審査員は年間数百〜数千枚の書類を読むプロです。こうした表現が出てきた瞬間に「またこのパターンか」と感じてしまうのは自然なことです。
ありきたり表現が生まれる背景には、「自分の言葉で語る自信のなさ」があります。自己分析が不十分なまま書き始めると、自分固有のエピソードや動機が見つからず、結果として誰にでも当てはまる抽象的な言葉に頼ってしまうのです。志望理由書の完成度を上げるためには、まず「どんな表現がNGなのか」を知ることが重要です。
▶ 自己分析のやり方完全ステップガイド|高校生が「何から始めるか」迷わないフレームワークと価値観の見つけ方を徹底解説【総合型選抜対応】
志望理由書のNGワード・ありきたり表現一覧
以下に、審査員が「またか…」と感じやすいNGワードを一覧でまとめました。自分の志望理由書と照らし合わせてみてください。
NGワード・表現 | なぜNGなのか | 言い換え例 |
|---|---|---|
貴校の充実した環境 | 具体性がゼロ。どの大学にも使える表現 | 「○○ゼミの少人数制指導で〜を学べる環境」など具体的に |
グローバルな人材になりたい | 抽象的すぎて差別化できない | 「東南アジアの農業問題に取り組む国際協力の現場で働きたい」 |
社会に貢献したい | 誰でも言える。何に・どう貢献するかが不明 | 「地域の高齢者の孤立問題を福祉政策で解決したい」 |
御校の教育方針に共感しました | 表面的。どの方針に・なぜ共感したかが見えない | 「PBL型の授業で実際の社会課題を扱う点に〜という経験から共感」 |
幼い頃から〇〇が好きでした | 動機の根拠が弱い。好きなだけでは志望理由にならない | 「中学2年の理科実験で〜に気づき、以来〜を調べ続けてきた」 |
先生方の熱心な指導 | 具体的でなく、どの大学でも言える | 「○○教授の〜に関する研究室で学びたい」 |
将来は〜の仕事に就きたいと思います | 「思います」は自信のなさを示す | 「〜として働き、〜を実現します」と断言する |
貴校でなければならない理由 | この言葉自体は問題ないが、直後に理由がない場合が多い | 具体的な理由(授業・研究室・立地・カリキュラム)をセットで |
努力します・頑張ります | 宣言だけで中身がない | 「〜の資格取得を目標に、1年次から〜に取り組みます」 |
多くのことを学びたい | 何を学びたいかが不明 | 「行動経済学と認知心理学を掛け合わせた消費者行動の研究をしたい」 |
これらの表現に共通しているのは、「誰にでも当てはまる」「具体性がない」「自分の言葉ではない」という3点です。
よくある失敗パターン5選と改善策
パターン1:「なぜこの大学か」が書けていない
志望理由書で最も多い失敗が、「なぜこの学部に興味があるか」は書けているのに、「なぜこの大学でなければならないのか」が抜け落ちているケースです。たとえば「環境問題に関心があります。そのため環境学部を志望します」という文章は、他のどの大学の環境学部にも使えてしまいます。
改善策としては、その大学固有の要素(特定の教授の研究内容・独自のカリキュラム・学外連携プログラムなど)を必ず1つ以上盛り込むことです。大学のパンフレットやシラバス、教授の論文を実際に読んで、「この大学でしか学べないこと」を探しましょう。
▶ 志望理由書の構成完全ガイド|4段落テンプレートと「なぜこの大学・学部・将来」をつなぐ骨格の作り方【総合型選抜】
パターン2:エピソードが「感想文」になっている
「高校1年のとき、ボランティア活動に参加しました。そこで様々な人と出会い、多くのことを学びました」という文章は、一見エピソードを書いているように見えますが、実際には何も伝わっていません。「様々な」「多くの」という言葉が、具体性を完全に消してしまっているからです。
改善策は、「5W1H」を意識してエピソードを書くことです。「いつ・どこで・誰と・何をして・なぜ・どのように」を盛り込むことで、読み手に場面が浮かぶ文章になります。たとえば「高校1年の夏、地元の特別支援学校で週1回の読み聞かせボランティアを3ヶ月間続けた。ある日、言葉をほとんど話せない児童が、初めて笑顔で本を指差した瞬間、コミュニケーションの多様性について深く考えるようになった」という書き方が理想的です。
パターン3:将来像が「ふわっとしている」
「将来はグローバルに活躍できる人材になりたい」「社会の役に立つ仕事がしたい」という将来像は、具体性がなさすぎて審査員の印象に残りません。特に総合型選抜では、志望理由書と面接を通じて「この学生はこの大学で何を学び、将来どう社会に貢献するのか」というストーリーの一貫性が重視されます。
改善策は、将来像を「職種レベル」ではなく「課題解決レベル」で語ることです。「国際的に活躍する」ではなく「東南アジアの農村部における教育格差の問題を、EdTechを活用して解決するNGOで働く」というように、解決したい社会課題と自分の役割を具体的に示しましょう。
パターン4:志望理由と自己PRが分離している
志望理由書の中で「私は〇〇が得意です(自己PR)。一方、御校は〇〇な大学です(志望理由)。だから志望します」という構成になっているケースがあります。この構成の問題は、自分の強みと大学の特色がつながっていないことです。
改善策は、「自分の経験→気づき→学びたいこと→大学での学び→将来像」という一本の線を引くことです。自分の過去の経験が、今の問題意識を生み、その問題を解決するために特定の学問が必要で、その学問をこの大学で学ぶ必然性がある、というストーリーを構築しましょう。
▶ 自己分析を志望理由書につなげる方法|強み・経験を説得力ある志望動機に変換するステップを解説
パターン5:「です・ます」と「だ・である」が混在している
これは内容ではなく文体の問題ですが、意外と多い失敗です。志望理由書は基本的に「です・ます」調で統一するのが一般的です。ところが、書いているうちに「〜である」「〜と考える」という表現が混ざってしまうケースがあります。提出前に必ず文体を統一してください。また、「思います」を多用するのも避けましょう。「思います」は自信のなさを感じさせる表現です。「〜します」「〜を目指します」と断言する文体を心がけてください。
「印象が悪い書き方」の具体例と言い換え
ここでは、実際によく見られる「印象が悪い書き方」の具体例と、それをどう言い換えるかを解説します。
【例1】大学をほめすぎる書き方
NG例:「貴校は日本でもトップクラスの素晴らしい大学であり、その充実した施設と優秀な先生方のもとで学べることを大変光栄に思います。」
この書き方は、大学を持ち上げることに終始しており、自分が何を学びたいのかが全く伝わりません。審査員は「この学生は本当にうちの大学で学びたいのか、それとも有名だから受けているだけなのか」と疑問を持ちます。
改善例:「○○大学経済学部の行動経済学演習では、実際の企業データを使ったフィールドワークが行われていると伺いました。私が高校時代に取り組んだ消費者心理の研究をさらに発展させるために、このプログラムで学ぶことが最も適切だと判断しました。」
【例2】ネガティブな動機を前面に出す書き方
NG例:「私は数学が苦手で文系科目が得意なため、文学部を志望しました。」
苦手科目を理由に学部を選んだという印象を与えてしまいます。動機は必ずポジティブな形で表現しましょう。
改善例:「高校時代に古典文学の授業で平安時代の女性の生き方に強い関心を持ち、日本の文化と社会の変遷を文学を通じて研究したいと考えるようになりました。」
【例3】コピペが疑われる表現
NG例:「現代社会においては、急速なグローバル化とデジタル化の進展により、様々な分野で大きな変革が求められています。」
これはニュース記事や論説文でよく使われる定型表現です。志望理由書は自分の言葉で書く書類です。こうした「どこかで読んだような書き出し」は避けてください。
改善例:「中学3年生のとき、祖父が認知症と診断されました。その経験が、私が医療と福祉の交差点に関心を持つきっかけになりました。」
差別化できる志望理由書を書くための3つのポイント
ポイント1:「原体験」を必ず入れる
審査員の記憶に残る志望理由書には、必ずその人固有の「原体験」があります。原体験とは、自分の価値観や問題意識が形成されたきっかけとなる具体的な出来事のことです。「幼い頃から興味がありました」という漠然とした表現ではなく、「○年○月、〜という出来事があった」という形で、時期・場所・状況を具体的に描写することが重要です。
▶ 自己分析で「過去の自分」を年表で整理する方法|幼少期〜中学時代の原体験を総合型選抜に活かすステップを解説
ポイント2:「数字」を使って信頼性を高める
「長期間取り組みました」より「2年間・週3回・合計200時間取り組みました」のほうが、読み手に強い印象を与えます。活動の規模・期間・成果を数字で示すことで、エピソードの説得力が格段に上がります。たとえば「ボランティア活動に参加しました」ではなく「3年間で延べ150名の高齢者宅を訪問するボランティアに参加しました」という書き方が効果的です。
ポイント3:「この大学でしかできないこと」を1つ以上書く
前述のとおり、大学固有の要素を盛り込むことは差別化の基本です。具体的には、特定の教授の研究内容・ゼミのテーマ・独自のカリキュラム・学外連携プログラム・留学制度・学生プロジェクトなどを調べてください。大学の公式サイト、シラバス、オープンキャンパスでの質問、在学生へのインタビューなどが情報源として有効です。
▶ 志望理由書の完成度を上げる修正・ブラッシュアップ術|提出前セルフチェックリスト付き
提出前に必ず確認したい「NGチェックリスト」
志望理由書を書き終えたら、提出前に以下のチェックリストで確認してください。
チェック項目 | 確認ポイント |
|---|---|
ありきたり表現がないか | 「グローバル」「社会貢献」「充実した環境」などを使っていないか |
原体験が具体的か | 時期・場所・状況が明確に書かれているか |
大学固有の要素があるか | 他の大学の志望理由書にそのまま使えないか確認 |
数字が入っているか | 期間・回数・規模などを数字で示しているか |
将来像が具体的か | 「グローバルに活躍」ではなく課題と役割が明確か |
文体が統一されているか | 「です・ます」か「だ・である」で統一されているか |
「思います」が多すぎないか | 断言できる表現に置き換えられているか |
字数が適切か | 指定字数の90%以上を使えているか |
▶ 志望理由書の例文集|文系・理系・800字など学部・文字数別に良い例・悪い例を徹底解説【総合型選抜】
まとめ
志望理由書でNGワードやありきたり表現を避けるためのポイントをまとめます。
1. 「グローバル」「社会貢献」「充実した環境」などの抽象ワードは使わない。必ず具体的な言葉に置き換える。
2. エピソードは「感想文」にしない。5W1Hを使って場面が浮かぶように書く。
3. 将来像は「課題解決レベル」で語る。職種の名前だけでは不十分。
4. 大学固有の要素を必ず1つ以上盛り込む。どの大学にも使える文章は差別化できない。
5. 原体験・数字・断言表現を積極的に使い、自分の言葉で語る。
志望理由書は、自分という人間を伝える最初の機会です。ありきたりな表現を排除し、あなたにしか書けない言葉で審査員の心を動かしましょう。
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この記事を書いているのは
坂本浩一 ❘ 東京大学卒・総合型選抜対策専門
東京大学卒。総合型選抜専門塾にて小論文・志望理由書・面接対策を中心に多数の受験生を指導。これまでに難関国公立・私立大学への合格者を多数輩出してきた。総合型選抜において重要なのは「表現力」ではなく「思考力と一貫性」であるという信念のもと、再現性のある指導を徹底。大学入試改革やAI活用にも精通し、現在は株式会社mugendAIにて総合型選抜対策AIの監修を担当。受験生が“本質的に考える力”を身につける支援を行っている。