
【総合型選抜】自己PRの書き方|構成テンプレート・例文・よくある失敗を高校生向けに徹底解説
総合型選抜の書類選考や面接で必ずと言っていいほど求められる「自己PR」。しかし、「何をどう書けばいいかわからない」「志望理由書と何が違うの?」と悩んでいる高校生はとても多いです。自己PRは自分の強みや経験を大学側に伝える重要な書類ですが、書き方のコツを知らずに書くと、ありきたりな内容になったり、字数を埋めるだけになったりしてしまいます。この記事では、総合型選抜における自己PRの書き方を、構成テンプレート・例文・よくある失敗まで含めて徹底解説します。
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自己PRとは?志望理由書との違いを理解しよう
自己PRと志望理由書は、どちらも総合型選抜の重要な書類ですが、その目的と内容は明確に異なります。この違いを理解しないまま書き始めると、内容が混在してしまい、どちらの書類も説得力が弱くなってしまいます。
自己PRは「私はこういう人間です」を伝える書類です。自分の強み・スキル・性格・経験を通じて、「自分がどんな人物か」を大学側にアピールします。一方、志望理由書は「なぜこの大学・学部に行きたいのか」を伝える書類です。大学への志望動機や将来のビジョンを中心に書きます。
書類 | 主な目的 | 中心となる内容 |
|---|---|---|
自己PR | 自分の人物像を伝える | 強み・経験・スキル・性格 |
志望理由書 | 志望動機を伝える | 大学への熱意・将来の目標・入学後の計画 |
たとえば、「私はリーダーシップがあり、部活でキャプテンとして30人をまとめた経験があります」という内容は自己PRに書くべき内容です。「御校の〇〇ゼミで学びたい」「卒業後は〇〇の仕事に就きたい」という内容は志望理由書に書くべきです。
自己PRと志望理由書の違いについてさらに詳しく知りたい方は、▶ 総合型選抜の自己PRの書き方・伝え方|志望理由書との違い・例文・面接での活かし方を高校生向けに徹底解説 もあわせて参考にしてください。
自己PRを書く前に必要な「自己分析」のやり方
自己PRを書く前に、まず自分自身のことを深く掘り下げる「自己分析」が欠かせません。自己分析をせずに書き始めると、「明るく積極的です」「努力家です」といった誰でも書けるような薄い内容になってしまいます。
自己分析で整理すべきポイントは次の3つです。
① 過去の経験を洗い出す
部活・委員会・ボランティア・アルバイト・趣味・家族との出来事など、印象に残っている経験をできるだけ多く書き出しましょう。「大きな実績がない」と思っている人も、日常の小さな出来事の中に必ず自分らしさが隠れています。
② 経験から強みを抽出する
書き出した経験の中から、「自分が頑張ったこと」「うまくいったこと」「褒められたこと」を探します。そこに自分の強みのヒントがあります。「なぜうまくいったのか」「自分は何をしたのか」を深掘りすることで、強みが具体的な言葉になります。
③ 強みと大学の求める人物像を照らし合わせる
大学のアドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)を読み、「求める人物像」と自分の強みを照らし合わせます。大学が求めている資質と自分の強みが一致している部分を自己PRでアピールすると、非常に説得力が増します。
自己分析の具体的なやり方については、▶ 総合型選抜の自己分析のやり方|過去・現在・未来を整理するステップと志望理由書への活かし方を高校生向けに解説 で詳しく解説しています。また、自分の強みを見つけることに悩んでいる方は ▶ 自己分析で強みを見つける方法|「強みがない」高校生向けにエピソードの掘り起こし方から面接での伝え方まで解説【総合型選抜】 も参考にしてください。
自己PRの構成テンプレート|3ステップで完成
自己PRには、読み手に伝わりやすい「型(テンプレート)」があります。この型に沿って書くだけで、論理的でわかりやすい自己PRが完成します。
STEP1:強みの結論(書き出し)
最初の1〜2文で「自分の一番の強みは何か」を明確に述べます。書き出しは読み手の第一印象を決める重要な部分です。「私の強みは〇〇です」と結論から入ることで、読み手がその後の内容を理解しやすくなります。
【例】
「私の強みは、困難な状況でも粘り強く取り組み続ける継続力です。」
STEP2:根拠となるエピソード(具体例)
次に、その強みを裏付ける具体的なエピソードを書きます。ここが自己PRの核心部分です。「いつ・どこで・何をして・どんな困難があって・どう乗り越えたか・どんな結果が出たか」を具体的に書きましょう。数字や固有名詞を使うと、一気に説得力が増します。
【例】
「高校2年生から3年間、バスケットボール部でスタメン争いに敗れ、補欠として活動していました。試合に出られない悔しさから、毎朝6時に自主練習を開始し、1日平均2時間の練習を600日以上継続しました。その結果、3年生の夏の大会でスタメンを獲得し、チームの地区大会ベスト8入りに貢献することができました。」
STEP3:強みの活かし方(入学後・将来への接続)
最後に、その強みを大学入学後や将来にどう活かすかを1〜2文で述べます。ここで自己PRと志望理由を軽くつなげることで、書類全体の一貫性が生まれます。
【例】
「この継続力を活かして、御校の研究活動においても長期的な視点で粘り強く取り組み、社会課題の解決に貢献できる人材に成長したいと考えています。」
この3ステップをまとめると、以下のような構成になります。
ステップ | 内容 | 目安の分量 |
|---|---|---|
STEP1 | 強みの結論(書き出し) | 全体の約15〜20% |
STEP2 | 根拠となるエピソード | 全体の約60〜70% |
STEP3 | 強みの活かし方 | 全体の約15〜20% |
自己PR例文|高校生向けシーン別テンプレート
実際の例文を参考にしながら、自分なりの自己PRを作成してみましょう。ここでは3つのシーン別に例文を紹介します。
例文①:部活動の経験をアピールする場合(約400字)
「私の強みは、チームのために自分の役割を考え、行動できる協調性と主体性です。
高校3年間、吹奏楽部でトロンボーンを担当しました。2年生の夏、部内でパート間の連携がうまくいかず、演奏全体のまとまりが失われる時期がありました。私はパートリーダーとして、各パートのリーダーが集まる会議を自ら提案・運営し、週1回の合同練習を導入しました。当初は反発もありましたが、丁寧に意見を聞き、全員が参加しやすい環境を作ることで、3ヶ月後には全員が前向きに練習に取り組むようになりました。その結果、秋のコンクールで県大会出場を果たすことができました。
この経験から、異なる意見を持つ人たちと協力してひとつの目標を達成することの難しさと喜びを学びました。大学でもこの力を活かし、多様なバックグラウンドを持つ仲間と協力しながら学びを深めていきたいと考えています。」
例文②:ボランティア・社会活動の経験をアピールする場合(約400字)
「私の強みは、社会の課題に対して当事者意識を持ち、行動に移せる実行力です。
高校1年生のとき、地域の子ども食堂でボランティアを始めたことがきっかけで、食の格差問題に強い関心を持つようになりました。単なるボランティアにとどまらず、問題を広く知ってもらいたいという思いから、学校の文化祭で食の格差をテーマにした展示企画を立案・実行しました。準備期間の3ヶ月間、50人の来場者にアンケートを取り、展示内容に反映させました。当日は200名以上の来場者に問題を伝えることができ、複数の先生から「考えさせられた」という感想をいただきました。
この経験を通じて、問題を「自分ごと」として捉え、周囲を巻き込みながら動くことの大切さを学びました。大学でも社会課題に積極的に向き合い、研究と実践を結びつけた活動を続けていきたいと考えています。」
例文③:学習・探究活動の経験をアピールする場合(約400字)
「私の強みは、疑問を持ったことを自ら調べ、深く考え続ける探究心です。
高校2年生の探究学習で、地元の農業における後継者不足の問題をテーマに選びました。文献調査だけでなく、実際に地域の農家3軒を訪問してインタビューを行い、現場のリアルな声を集めました。調査を進める中で「農業×テクノロジー」という視点に興味を持ち、スマート農業の先進事例を独自にまとめた提言レポートを作成。学校の発表会で最優秀賞を受賞し、地域の農業団体の方に実際に読んでいただく機会を得ました。
この経験から、現場に足を運び、一次情報を自ら集めることの重要性を学びました。御校の〇〇学部で農業政策や地域経済を学び、地方創生に貢献できる研究者を目指したいと考えています。」
自己PRの文字数・書き出しのコツ
文字数は「指定の90〜100%」を目指す
大学から文字数が指定されている場合、指定の90〜100%を使い切ることが基本です。たとえば「400字以内」と指定されていれば、360〜400字を目安にしましょう。文字数が少なすぎると「熱意が低い」「自分のことを言語化できていない」という印象を与えてしまいます。
一方、文字数が多すぎて指定をオーバーするのはもちろんNGです。字数制限を守れないことは、基本的なルールを守れないという印象につながります。
書き出しは「強みの結論」か「印象的なエピソード」から
自己PRの書き出しは、読み手の興味を引くために重要です。主に2つのパターンがあります。
パターンA:結論から入る(推奨)
「私の強みは〇〇です。」と最初に結論を述べる方法。シンプルでわかりやすく、採点者にとって読みやすい構成です。
パターンB:エピソードから入る(上級者向け)
「高校2年生の夏、私は大きな壁にぶつかりました。」のように、具体的なエピソードや問いかけから入る方法。印象には残りやすいですが、全体の構成をしっかり組み立てないと内容が散漫になるリスクがあります。
初めて自己PRを書く場合は、パターンAの「結論から入る」書き方を選ぶと失敗しにくいです。
よくある失敗パターンと改善策
自己PRを書く際に高校生が陥りやすい失敗パターンを5つ紹介します。自分の文章と照らし合わせてチェックしてみてください。
失敗①:強みが抽象的すぎる
「私は努力家です」「コミュニケーション能力があります」のような抽象的な表現だけでは、誰でも書けるありきたりな内容になってしまいます。必ず具体的なエピソードと数字でその強みを証明しましょう。
失敗②:エピソードが結果の自慢になっている
「〇〇で優勝しました」「成績が上位でした」という結果の羅列は、自己PRとしては不十分です。大学が知りたいのは「その経験で何を考え、何を学んだか」です。プロセスと気づきを丁寧に書きましょう。
失敗③:複数の強みを詰め込みすぎる
自己PRに強みを3つも4つも書いてしまうと、どれも薄くなってしまいます。字数が少ない場合は、最も強力な強みを1つに絞り、深く掘り下げる方が効果的です。
失敗④:志望理由書と内容が丸かぶりになっている
自己PRと志望理由書は別の書類なのに、同じエピソードを同じ切り口で使い回すのはNGです。自己PRは「自分という人物の強み」にフォーカスし、志望理由書は「大学への志望動機」にフォーカスするよう意識しましょう。
失敗⑤:大学のアドミッション・ポリシーを無視している
どんなに素晴らしい自己PRでも、大学が求める人物像とズレていれば評価されません。必ず出願前に志望大学のアドミッション・ポリシーを読み込み、求められている資質と自分の強みを結びつけましょう。
志望理由書に関するよくある失敗については、▶ 志望理由書で使ってはいけないNGワード・ありきたり表現一覧|よくある失敗パターンと言い換え例を高校生向けに解説 も参考になります。
面接での自己PRの伝え方
書類に書いた自己PRは、面接でも活用できます。ただし、書類と面接では伝え方が異なります。
面接での自己PRは「1分以内(約300字分)」に凝縮するのが基本です。長すぎると面接官が飽きてしまいます。書類の自己PRを要約し、「強みの一言 → 代表的なエピソードを簡潔に → 大学での活かし方」という流れで話しましょう。
また、面接では書類に書いたことを深掘りされることが多いため、自己PRに書いたエピソードについて「なぜそう思ったのか」「具体的にどんな行動をしたのか」「失敗したことはあるか」などの追加質問にも答えられるよう準備しておきましょう。
面接対策についてさらに詳しく知りたい方は、▶ 総合型選抜の面接で「うまく答えられない」を解消|回答の組み立て方・話し方のコツをPREP法で徹底解説 もあわせて確認してください。
まとめ
この記事では、総合型選抜における自己PRの書き方を以下のポイントでまとめました。
- 自己PRと志望理由書の違いを理解し、それぞれの目的に合った内容を書く
- 自己分析で自分の強みとエピソードを事前に整理しておく
- 3ステップの構成テンプレート(強みの結論→エピソード→活かし方)に沿って書く
- 具体的な数字・固有名詞を使ってエピソードに説得力を持たせる
- 文字数は指定の90〜100%を目指し、書き出しは「結論から入る」のが基本
- よくある失敗パターン(抽象的な表現・結果の羅列・詰め込みすぎ)を避ける
- 書類に書いた自己PRは面接でも深掘りされることを想定して準備する
自己PRは一度書いて終わりではなく、何度も書き直し、添削を受けながらブラッシュアップしていくものです。書いた自己PRを信頼できる先生や先輩に読んでもらい、「伝わるかどうか」を客観的に確認することが合格への近道です。▶ 志望理由書の添削は誰に頼む?無料でできる方法・頼み方のコツ・注意点を高校生向けに徹底解説【総合型選抜】 も参考にしながら、完成度の高い自己PRを目指してください。
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この記事を書いているのは

藤堂誠 ❘ 総合型選抜対策専門塾講師
大学での入試・教育評価に関する知見をもとに、総合型選抜・学校推薦型選抜の対策を監修。志望理由書・小論文・面接において、大学側が重視する「学びへの意欲」「探究の一貫性」「将来像との接続」を踏まえた指導を行う。現在は株式会社mugendAIにて、受験生が自分の経験や関心を大学に伝わる形で整理できるよう、総合型選抜対策コンテンツの監修を担当している。