
小論文の書き出し例|序論・本論・結論につながる書き方を例文つきで解説
小論文を書くとき、最初に多くの人が止まってしまうのが「書き出し」です。
何から書けばいいのか分からず、考えているうちに時間だけが過ぎてしまった経験がある人も多いのではないでしょうか。
この記事では、小論文の書き出し例をテーマに、書き出しで何を書くべきか、どのように序論・本論・結論へつなげればよいかを、高校生にもわかりやすく解説します。
あわせて、すぐに使える例文や、失敗しやすい書き出しのパターンも紹介します。
この記事でわかることは、次の4つです。
- 小論文の書き出しで書くべき内容
- 書き出しと序論の違い・序論の役割と構成要素
- テーマ別の小論文の書き出し例と例文(全5テーマ)
- 書き出しで失敗しないためのポイント
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小論文の書き出し例が大切な理由
小論文では、最初の数文で「この人は何を主張したいのか」がある程度伝わります。
そのため、書き出しが曖昧だと、その後にどれだけ内容を書いても全体が読みづらくなりやすいです。
特に大学入試の小論文では、採点者は短時間で多くの答案を読みます。
だからこそ、書き出しで次の2点が見えることが重要です。
- 何について書くのか
- どんな立場・主張なのか
書き出しがしっかりしていると、その後の本論も組み立てやすくなります。
逆に、最初を感覚で書き始めると、途中で話がずれたり、結論が弱くなったりしやすくなります。
総合型選抜の小論文では、採点者はあなたの「思考力・表現力・主体性」を評価しています。書き出しの一文でその姿勢が伝わるかどうかが、合否の分かれ目になることも少なくありません。まずは「主張の見える一文」を置くことを意識してみてください。
小論文の書き出しでは何を書くべきか
小論文の書き出しは、ただかっこいい一文を書けばよいわけではありません。
大切なのは、問いに対する方向性を示すことです。
基本的には、書き出しでは次の流れを意識すると書きやすくなります。
1. テーマを言い換えて示す
まずは、設問で問われているテーマを自分の言葉で整理します。
これにより、「何について考える文章なのか」が明確になります。
たとえば、「SNSは高校生にとって有益か」というテーマなら、
「SNSは情報収集や交流に役立つ一方で、使い方によっては問題も生む存在である」といった形で入りやすくなります。
2. 自分の主張を簡潔に示す
次に、自分がどの立場で書くのかをはっきり示します。
ここで主張が見えると、読み手も本文を追いやすくなります。
たとえば、
- 私は〜と考える
- 〜は重要である
- 〜すべきである
のような形です。
3. 本論につながる方向をつくる
書き出しの最後では、その後に何を説明するのかが少し見えると理想的です。
理由や観点を軽く示しておくと、序論から本論への流れが自然になります。
▶ 小論文の書き方|高校生向けにゼロから基本ルール・構成・原稿用紙の使い方まで徹底解説
序論とは何か|書き出しとの違いと役割を整理する
「書き出し」と「序論」は混同されやすいですが、実は意味が異なります。この違いを理解しておくと、小論文全体の構成がずっと組み立てやすくなります。
序論の定義と文字数の目安
序論とは、「問いを立て、自分の立場を宣言するパート」のことです。小論文全体の入口として、読み手に「この文章が何を論じるのか」を伝える役割を担っています。
文字数の目安は、全体の20〜25%程度です。答案の文字数別に示すと、次のようになります。
答案の文字数 | 序論の目安文字数 |
|---|---|
600字 | 120〜150字程度 |
800字 | 160〜200字程度 |
1000字 | 200〜250字程度 |
序論が長すぎると本論・結論の字数が圧迫されます。逆に短すぎると主張が伝わりにくくなるため、この目安を参考にしてみてください。
序論に含めるべき3つの要素
序論には、次の3つの要素を盛り込むことが理想的です。
要素 | 役割 | 例文フレーズ |
|---|---|---|
①テーマの文脈化 | 「なぜ今このテーマが問われるのか」を示す | 「近年、〜が社会的に注目されている。」 |
②問題提起 | テーマに潜む課題・論点を明示する | 「しかし、〜という問題が生じている。」 |
③主張(論旨の宣言) | 自分の立場・結論の方向を宣言する | 「私は、〜すべきだと考える。」 |
この3要素を意識するだけで、序論の中身がぐっと充実します。すべてを1文ずつ書く必要はありませんが、読み手が「この文章の方向性」を把握できるように組み立てることが大切です。
書き出し(冒頭一文)と序論全体の関係
「書き出し」と「序論」の違いを一言でまとめると、次のようになります。
用語 | 範囲 | 役割 |
|---|---|---|
書き出し | 冒頭の1〜2文 | 読み手の関心を引き、テーマへ誘導する |
序論 | 冒頭段落全体(複数文) | テーマ・問題提起・主張をまとめて提示する |
つまり、書き出しは序論の冒頭一文であり、序論は書き出しを含む段落全体です。「書き出しだけ良ければOK」ではなく、段落全体で3つの要素を満たすことを意識してみてください。
また、序論の末尾には「本論へのブリッジ表現」を置くと、読み手がスムーズに次の段落へ移れます。以下のような表現が使いやすいです。
- 「以下では、〜の観点から述べる。」
- 「この点について、次の二つの理由から考察する。」
- 「以下、具体的な事例をもとに検討していきたい。」
- 「この問題を〜と〜の側面から順に論じる。」
- 「本論では、〜を中心に考えを展開する。」
序論を書き終えたら、アオマルのAI添削機能で「主張が伝わっているか」をすぐに確認することができます。序論が完成したタイミングで客観的なフィードバックを受けると、本論・結論の方向性がぶれにくくなります。
小論文の書き出し例|テーマ別の例文を紹介
ここでは、実際によくあるテーマに近い形で、小論文の書き出し例を紹介します。
どれもそのまま丸暗記するのではなく、「どういう構造で始めているか」を見ることが大切です。
テーマ例1:SNSの利用について
書き出し例
現代の高校生にとって、SNSは日常生活の一部になっている。情報を得たり、友人とつながったりできる便利な手段である一方、使い方を誤ると人間関係のトラブルや依存につながるおそれもある。私は、SNSは適切なルールのもとで活用すべきだと考える。
ポイント
この例では、最初にテーマを示し、その後に「便利さ」と「問題点」の両方を軽く触れたうえで、自分の主張を述べています。
いきなり細かい話に入らず、全体の見取り図を出しているのが特徴です。
テーマ例2:読書の意義について
書き出し例
近年は動画やSNSから短時間で情報を得られるようになり、読書の時間が減っているといわれる。しかし、読書には単に知識を得るだけではなく、物事を深く考える力や他者の立場を想像する力を養う役割がある。私は、読書は今の時代だからこそ重要であると考える。
ポイント
この例では、時代背景を簡潔に入れたうえで、読書の価値を主張しています。
「今なぜそのテーマが大切か」が見える書き出しになっています。
テーマ例3:学校での制服の必要性について
書き出し例
学校の制服には、集団としての一体感を生み出すという利点がある。一方で、個性を出しにくいことや、経済的な負担になることを問題視する声もある。私は、制服は一定の意義を持つが、見直すべき点も多いと考える。
ポイント
賛成か反対かを単純に決めつけず、両面を見たうえで自分の立場を示しています。
このような書き出しは、バランスよく考えられている印象を与えやすいです。
テーマ例4:AI・テクノロジーについて
書き出し例
近年、人工知能(AI)の急速な発展により、私たちの生活や働き方は大きく変わりつつある。AIは業務の効率化や医療診断の精度向上など多くの恩恵をもたらす一方で、雇用の喪失や個人情報の扱いに関する懸念も高まっている。私は、AIを社会に活かすためには、技術の発展と並行して倫理的なルールの整備が不可欠だと考える。
ポイント
総合型選抜では「AI・テクノロジー」は頻出テーマのひとつです。「AIは便利」で終わらず、「恩恵と課題の両面」を示したうえで自分の主張を置くことで、思考の深さをアピールできます。志望理由書でAIや情報系の学部を志望している場合は、このテーマの練習が特に有効です。
テーマ例5:環境・持続可能性について
書き出し例
地球温暖化や海洋プラスチック問題など、環境への負荷が深刻化するなか、持続可能な社会の実現が世界的な課題となっている。日本においても再生可能エネルギーの普及や消費行動の見直しが求められているが、個人の取り組みだけでは限界があるのも事実である。私は、環境問題の解決には、個人・企業・行政が連携した仕組みづくりが必要だと考える。
ポイント
SDGsに関連する環境・持続可能性テーマは、総合型選抜で出題頻度が高まっています。「個人の意識だけでなく、社会的な仕組みへの言及」があると、論点の広さを示せます。志望理由書で環境・農学・社会学系の学部を志望している場合は、このテーマの書き出しパターンを押さえておきましょう。
▶ 小論文【課題文型】の読み方完全ガイド|筆者の主張の読み取り・要約・マーキング術を高校生向けに徹底解説
序論・本論・結論の流れで考えると書き出しが作りやすい
小論文の書き出しで悩む人は多いですが、実は書き出しだけを単独で考えると難しくなります。
そこでおすすめなのが、序論・本論・結論の全体の流れから逆算する方法です。
序論で書くこと
序論では、主に次の内容を書きます。
- テーマの整理:設問で問われている課題を自分の言葉で示す。「近年、〜が問題となっている」のように時代背景を添えると入りやすい。
- 問題意識:そのテーマにどのような論点・課題があるのかを示す。「しかし、〜という側面も無視できない」のように、単純ではない複雑さを示すと深みが出る。
- 自分の主張:「私は〜と考える」と明確に立場を宣言する。この一文があるだけで、採点者は答案全体の方向性を把握しやすくなる。
つまり、書き出しはこの序論の最初の部分にあたります。
ここで主張の方向を決めることで、本論が書きやすくなります。序論の末尾に「以下では、〜の観点から論じる」というブリッジ表現を置くと、本論への流れがさらにスムーズになります。
本論で書くこと
本論では、序論で示した主張の理由や具体例を書きます。
たとえば「SNSは適切に活用すべきだ」という主張なら、本論では、
- 情報収集に役立つ
- 他者との交流が広がる
- 一方で依存や誤情報の問題がある
といった理由を展開できます。本論は小論文全体の中で最も字数を使うパートです。理由は2〜3点に絞り、それぞれに具体例や数字・事例を添えると説得力が増します。
結論で書くこと
結論では、本論をふまえて主張を言い換えたり、よりはっきりまとめたりします。
序論と同じ内容をそのまま繰り返すのではなく、理由を通した後の整理として書くことが大切です。「以上の理由から、私は〜と考える」のように序論の主張を発展させる形で締めると、論理的なまとまりが生まれます。
▶ 小論文の書き方|高校生向けにゼロから基本ルール・構成・原稿用紙の使い方まで徹底解説
書き出しに迷ったときに使えるテンプレート
ゼロから考えようとすると手が止まりやすいので、まずは型を持っておくと便利です。
以下のテンプレートは、多くの小論文テーマで応用できます。
テンプレート1:テーマ説明→主張
「近年、〜が注目されている。たしかに〜という側面があるが、私は〜と考える。」
使いやすく、意見を明確にしやすい形です。
テンプレート2:現状→課題→主張
「現在、〜は私たちにとって身近な存在となっている。しかし、〜という課題もある。私は、この問題に対して〜が必要だと考える。」
社会問題や教育テーマに向いています。
テンプレート3:両面提示→自分の立場
「〜には利点がある一方で、問題点もある。私は、それらをふまえたうえで〜という立場をとる。」
賛否が分かれるテーマに使いやすいです。
テンプレートを使うときの注意点
テンプレートは便利ですが、形だけをなぞると中身の薄い文章になります。
大切なのは、その型の中に設問に合った内容を入れることです。
また、毎回同じ始め方になると不自然なので、テーマに応じて少し表現を変える意識も必要です。
▶ 小論文の参考書おすすめ10選|レベル別の選び方・使い方を高校生向けに徹底解説【総合型選抜・一般入試対応】
小論文の書き出しでよくある失敗例
書き出しでは、やってしまいがちなミスがあります。
ここを知っておくだけでも、答案の質はかなり変わります。
1. 感想文のように始めてしまう
たとえば、
「私はSNSをよく使います。とても便利だと思います。」
という始め方は、体験や感想が中心で、小論文としては弱くなりやすいです。
小論文では、個人的な感情よりも、テーマへの考察や主張が求められます。
2. 主張が見えない
テーマ説明だけで終わってしまい、自分が何を言いたいのか分からない答案も多いです。
書き出しの時点で、少なくとも方向性は見えるようにしましょう。
3. 話を広げすぎる
大きすぎる話から始めると、何を論じたいのかがぼやけます。
たとえば、
「人類は昔からさまざまな問題を抱えてきた。」
のような始まりは、一見それらしく見えても、テーマとの距離が遠いことがあります。
設問に近いところから入るほうが、読みやすくなります。
▶ 小論文の添削は誰に頼む?無料・有料・AIサービスを徹底比較|頼み方のコツと注意点を高校生向けに解説
小論文の練習は書き出しだけでも効果がある
小論文は、毎回全文を書くのが理想ですが、時間がないと続きません。
そんなときは、まず書き出しだけを練習するのも有効です。
たとえば、1つのテーマに対して、
- 書き出しを3パターン作る
- その中から一番わかりやすいものを選ぶ
- どの書き出しなら本論が続けやすいか考える
という練習をすると、序論を作る力がついていきます。
特に総合型選抜では、小論文だけでなく志望理由書や面接でも、自分の考えを筋道立てて伝える力が求められます。
その意味でも、書き出しを整える練習は入試全体の対策につながります。
また、総合型選抜対策AIアプリ「アオマル」なら、小論文の答案をAIがすぐに添削し、
どこが曖昧なのか、どこを直せばよいのかを確認できます。
「自分では書けたと思ったのに、伝わる文章になっているか不安」という人は、早い段階で客観的なフィードバックを受けることが大切です。
書き出しだけを練習する場合でも、AIに見てもらうことで「主張が伝わっているか」「序論の3要素が揃っているか」をすぐに確認できます。一人で悩む時間を減らして、効率よく対策を進めていきましょう。
▶ 小論文の添削を最大限活かす方法|頼み方・書き直し方・繰り返しサイクルを高校生向けに徹底解説【総合型選抜対応】
まとめ|小論文の書き出し例は「主張の見える一文」を意識する
小論文の書き出しは、文章全体の土台になる重要な部分です。
うまく書くためには、印象的な言い回しを考えるよりも、まずテーマの整理と主張の明確化を意識することが大切です。
今回のポイントをまとめると、次の通りです。
- 小論文の書き出しでは、テーマと主張を明確にする
- 「書き出し」は序論の冒頭一文、「序論」は書き出しを含む段落全体
- 序論には「テーマの文脈化・問題提起・主張の宣言」の3要素を盛り込む
- 序論の文字数は全体の20〜25%(600字なら120〜150字、800字なら160〜200字)が目安
- 序論の末尾にブリッジ表現を置くと本論へスムーズにつながる
- 書き出し例は、構造をまねして使うのが効果的
- 感想文のような始め方や、主張の見えない文章は避ける
- テーマ別例文(SNS・読書・制服・AI・環境)で練習の幅を広げる
序論を書く前に確認する5項目チェックリスト
- [ ] テーマを自分の言葉で言い換えられているか
- [ ] 問題提起(課題・論点)が示されているか
- [ ] 自分の立場・主張が明確に宣言されているか
- [ ] 序論の文字数は全体の20〜25%以内に収まっているか
- [ ] 本論へのブリッジ表現(「以下では〜」など)が置かれているか
小論文が苦手な人ほど、最初から完璧な答案を書こうとしがちです。
まずは短い書き出し例を参考にしながら、自分の主張を一文で置く練習から始めてみてください。
その積み重ねが、読みやすく説得力のある小論文につながっていきます。
▶ 小論文400字の書き方|短い字数でも合格レベルに仕上げる構成・例文・時間配分を高校生向けに解説
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アオマルでは、今回紹介した対策をAIと一緒に実践できます。まずは無料トライアルでお試しください。
この記事を書いているのは

坂本浩一 ❘ 東京大学卒・総合型選抜対策専門
東京大学卒。総合型選抜専門塾にて小論文・志望理由書・面接対策を中心に多数の受験生を指導。これまでに難関国公立・私立大学への合格者を多数輩出してきた。総合型選抜において重要なのは「表現力」ではなく「思考力と一貫性」であるという信念のもと、再現性のある指導を徹底。大学入試改革やAI活用にも精通し、現在は株式会社mugendAIにて総合型選抜対策AIの監修を担当。受験生が“本質的に考える力”を身につける支援を行っている。
