
総合型選抜の面接練習で親ができること|家で面接官役をするときの質問リスト
結論から言うと、総合型選抜の面接練習で親ができるのは、面接官役として質問を読み上げ、聞き手として「伝わったか」を返すことです。答えの中身を直したり、正解を教えたりする必要はありません。面接に詳しくない保護者の方でも、質問リストと少しのルールがあれば十分に練習相手になれます。
総合型選抜の面接は、志望理由書に書いた内容を自分の言葉で説明できるかが問われます。頭の中で答えを考えるだけでは本番で言葉が出てこないことが多く、実際に声に出して話す回数がものを言います。いつでも頼める家族は、その回数を増やすための心強い練習相手です。
この記事では、保護者の方に向けて、家族との面接練習が役立つ理由と限界、面接官役の始め方、家で使える質問リスト20問、練習後のフィードバックの伝え方、本番1週間前の過ごし方をまとめます。質問ごとの答え方や回答例は、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶ 大学面接の質問一覧30選|聞かれること・答え方と回答例【総合型選抜・推薦】
総合型選抜対策アプリ「アオマル」では、AI模擬面接による面接対策のほか、志望理由書の添削・自己分析・受験スケジュールの管理まで、総合型選抜の準備をAIがサポートします。登録はお子さん本人が行います。
家族の面接練習が役に立つ理由と限界
家族との練習は、気軽に回数を増やせて、声に出して話す練習になる点で役に立ちます。一方で、緊張感が出にくく、大学ごとの評価の観点まではわからないという限界もあるため、先生やAIと役割を分けるのが現実的です。
家族の練習が役に立つ理由
- 頼みやすい:「今日10分だけ練習してもいい?」と声をかけやすく、練習の回数を増やせます
- 声に出す練習になる:頭の中で考えた答えを、人に向かって話す練習ができます。言葉に詰まるところが自分でわかります
- お子さんのことをよく知っている:「その話、中学のときの○○とつながってない?」など、本人が忘れているエピソードを思い出させることができます
- 面接に詳しくない人の目線で聞ける:大学の面接官も、受験生の高校生活を知らない相手です。家族に伝わらない説明は、面接官にも伝わりにくいと考えられます
実際に合格した受験生の保護者からも、想定質問のリストを受け取って面接官役をした、という声があります。評価をしようとせず、用意した質問を読み上げる役に徹したことで、気軽に頼める練習相手になれたそうです。
▶ 【合格体験記・保護者編】総合型選抜で親は何をした?サポート内容・不安の乗り越え方をリアルに解説
家族の練習の限界
- 緊張感が出にくい:家の中では本番ほど緊張しないため、慣れたつもりになりやすい点に注意が必要です
- 評価の観点がわからない:大学がアドミッションポリシーに沿ってどこを見るかは、家族には判断しにくい部分です
- 感情が入りやすい:親子だからこそ、つい口調が強くなったり、子どもが反発したりしやすくなります
練習相手ごとの役割分担
家族・先生・友人・AIには、それぞれ得意な役割があります。家族はすべてを担おうとせず、「回数を増やす係」と考えると気が楽になります。
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練習相手 | 向いていること | 頼むときのポイント |
|---|---|---|
家族 | 質問を読み上げてもらい、声に出して話す回数を増やす | 敬語で、入室から退室まで通しで行う。評価より「伝わったか」を返す |
学校の先生 | 志望理由書との一貫性や、評価の観点を踏まえた助言 | 仕上げの段階で模擬面接をお願いする。早めに日程を相談する |
友人 | 面接官役と受験生役を交代して、面接官の目線を知る | よかった点と気になった点を具体的に言い合う |
AI模擬面接 | 時間や場所を問わず、本番に近い形式で場数を踏む | 苦手な質問を繰り返し練習し、家族との通し練習の前に答えを固める |
練習相手の使い分けや回数の目安は、生徒向けのこちらの記事でも解説しています。
▶ 総合型選抜の面接練習のやり方|一人でできる方法・回数の目安・チェックリストを高校生向けに徹底解説
面接官役の始め方
始める前に志望理由書のコピー・質問リスト・タイマーを用意し、入室から退室までを通しで15分前後行うのが基本の形です。最初は5問程度から始め、慣れてきたら深掘りの質問を足していきましょう。
いつから始めればいい?
面接練習は、本番の2〜3か月前から始めるのが目安です。最初の1か月はお子さんが一人で答えを考えたり、AI模擬面接で練習したりする時期なので、家族との通し練習は、ある程度答えが固まってきた本番の1か月前ごろから、週末に1回ずつ取り入れると無理がありません。面接の準備をいつから始めるかは、こちらの記事で月別に解説しています。
▶ 大学の面接練習はいつから?目安は本番2〜3か月前|総合型選抜・推薦の月別準備
準備するもの
- 志望理由書・活動報告書など、提出した(する予定の)書類のコピー
- 面接の形式がわかる資料(募集要項の選考方法の欄など)
- 質問リスト(この記事の20問から5〜6問を選んでおく)
- タイマーと、録画用のスマートフォン(本人が希望する場合)
- 机と椅子。リビングの一角でかまいません
練習の進め方
- 最初にルールを確認する(敬語で話す、途中で止めない、終わってから振り返る)
- お子さんにドアの外から入室してもらい、あいさつと着席までを行う
- 質問リストの質問を読み上げる。答えが短いときは「具体的には?」「それはなぜですか?」と1回だけ深掘りする
- 最後に「何か質問はありますか?」と聞き、退室までを行う
- 5分ほど振り返る(伝え方は後の「フィードバックの伝え方」を参照)
深掘りの質問は、志望理由書に書かれている言葉を使うと作りやすくなります。たとえば「地域の課題に関心がある」と書いてあれば、「その課題に気づいたきっかけは何ですか?」と聞いてみてください。書類から聞かれやすい質問の作り方は、こちらの記事が参考になります。
▶ 【総合型選抜】志望理由書を書いたら面接で何を聞かれる?想定質問リストと深掘り対策を高校生向けに解説
面接の形式に合わせて練習する
総合型選抜の面接には、個人面接のほか、集団面接、プレゼンテーションのあとに質疑応答がある形式、専門分野の知識を問う口頭試問、オンライン面接などがあります。どの形式かは大学・学部ごとに違うので、まず募集要項の選考方法の欄を確認し、形式に合わせて練習の形を変えましょう。
- 個人面接:この記事の進め方のとおり、1対1で質問と深掘りを繰り返します
- 集団面接:家族が2〜3人いれば、きょうだいや親が受験生役に加わり、ほかの人が話している間の聞く姿勢も練習します
- プレゼン+質疑応答:時間を計って発表してもらい、終わったあとに「一番伝えたかったことは何ですか」と質問します
- 口頭試問:専門的な内容は親が判断しにくいので、質問だけ読み上げ、内容の確認は先生にお願いしましょう
家族練習とAI模擬面接を組み合わせる
家族との練習だけでは、回数や質問の幅に限りがあります。平日はお子さんがAI模擬面接で答えを固め、週末に家族と入室から退室までの通し練習をする、という組み合わせにすると、どちらの良さも生かせます。
アオマルの面接対策では、志望理由書や自己分析の内容をもとにAIが質問をつくり、志望学部に合わせた質問も出題されます。音声で答える本番に近い形式で練習でき、回答は複数の観点から分析され、志望理由書との一貫性もチェックされます。家族が「この答えは書類と合っているのかな」と迷う部分を、AIの分析で補えるのが利点です。対策機能は、全9機能を各2回まで無料で試せます。何度も練習したい時期は、面接練習を含む全機能が使い放題のプラン(月4,000円・税込)もあります。
家で使える面接の質問リスト20問
質問は「志望理由」「高校生活・活動」「自分自身」「将来・入学後」「時事・社会」の5つに分けて各4問用意すると、本番で聞かれやすい範囲をひととおり練習できます。ここでは問いだけを載せています。答え方や回答例は「大学面接の質問一覧30選」で確認してください。
志望理由に関する質問(4問)
- 本学(この学部)を志望した理由を教えてください。
- 他の大学ではなく、本学でなければならない理由は何ですか。
- 本学のオープンキャンパスや説明会で印象に残ったことは何ですか。
- 志望理由書に書いた内容を、1分で説明してください。
高校生活・活動に関する質問(4問)
- 高校生活で最も力を入れたことは何ですか。
- その活動の中で、一番苦労したことと、それをどう乗り越えたかを教えてください。
- 探究活動や課題研究では、どんなテーマに取り組みましたか。
- 高校で学んだ科目の中で、大学での学びにつながると思うものはどれですか。
自分自身に関する質問(4問)
- あなたの長所と短所を教えてください。
- 周りの人から、どんな人だと言われることが多いですか。
- これまでに失敗した経験と、そこから学んだことを教えてください。
- 最近読んだ本や記事で、印象に残っているものは何ですか。
将来・入学後に関する質問(4問)
- 入学後、特に学びたいことは何ですか。
- 大学で取り組んでみたい研究や活動はありますか。
- 卒業後、どのような仕事や分野に進みたいと考えていますか。
- 10年後、どのような自分になっていたいですか。
時事・社会に関する質問(4問)
- 最近気になったニュースを一つ挙げ、あなたの考えを教えてください。
- 志望する分野に関係する社会の課題には、どのようなものがありますか。
- その課題に対して、あなたならどのように取り組みますか。
- SNSやAIなど、身近な技術が社会に与える影響についてどう考えますか。
質問リストの使い方
- 1回の練習で全部聞く必要はありません。各グループから1問ずつ、5〜6問を選びます
- 大学名や学部名は、お子さんの志望校に合わせて言い換えてください
- 答えが短い質問には「具体的には?」「なぜそう思うのですか?」と1回だけ深掘りします
- 毎回同じ順番にせず、質問の順番を入れ替えると、本番に近い練習になります
面接対策の全体像や、よく聞かれる質問への準備のロードマップは、こちらの記事にまとめています。
フィードバックの伝え方
練習後のフィードバックは、よかった点を先に1つ、直すとよい点を1つに絞り、答えの中身ではなく「伝わったか」「聞き取りやすかったか」を返すのが基本です。
見るポイントは3つ
- 伝わったか:結論が最初に話されていたか。聞き終わって「何が言いたかったか」を一言で言えるか
- 話し方:声の大きさ、話す速さ、目線、姿勢。語尾が消えていないか
- 書類との一致:志望理由書に書いてあることと、話した内容が食い違っていないか
すべてを細かく見ようとしなくてかまいません。1回の練習では「今日は話し方だけ見る」のように、見るポイントを決めておくと伝えやすくなります。
録画を見ながら振り返る
お子さんが希望する場合は、練習をスマートフォンで録画し、一緒に見返すのも効果的です。親が言葉で指摘するより、本人が映像を見て「思ったより早口だった」「目線が下を向いていた」と自分で気づくほうが、素直に受け止めやすくなります。見返すときは、親から先に指摘せず、「自分で見てどうだった?」と本人の感想から聞きましょう。録画の扱いは本人に任せ、勝手に保存したり、ほかの人に見せたりしないことも大切です。
言い方の例
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避けたい言い方 | 言い換えの例 |
|---|---|
「全然ダメ」「何を言っているかわからない」 | 「最初の一文で結論を言うと、もっとわかりやすくなりそう」 |
「そんな答えじゃ落ちるよ」 | 「今の答えで一番伝えたかったのはどこ?」 |
「こう言いなさい」 | 「○○という言葉はどういう意味?もう少し聞きたい」 |
「もっと自信を持って」 | 「最後まで声が聞こえるように、語尾をはっきり言ってみよう」 |
「前も同じこと言ったよね」 | 「前回より○○がよくなったね。次は△△を意識してみよう」 |
内容に口を出したくなったら
答えの中身が気になっても、親の言葉で答えを作り直すのは避けましょう。面接官は深掘りの質問で「本人が考えた言葉かどうか」を確かめます。親が考えた答えを覚えて話すと、深掘りされたときに言葉が続かなくなります。内容について伝えたいときは、「その話、もう少し具体的に聞きたいな」と疑問の形で返し、書き直しや答えの組み立ては本人と先生に任せてください。保護者が避けたい関わり方は、こちらの記事でも解説しています。
▶ 総合型選抜で親(保護者)がやること|高1〜高3の時期別サポートとNG行動
本番1週間前の過ごし方
本番1週間前は、新しい質問を増やすより、通し練習を2〜3回にとどめ、睡眠・持ち物・当日の移動を整えることに力を使いましょう。親は「確認係」と「安心させる係」に回るのが基本です。
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時期 | お子さんがすること | 親ができること |
|---|---|---|
7〜5日前 | 通し練習、志望理由書の読み返し | 面接官役で最後の通し練習をする。会場までの経路と所要時間を一緒に調べる |
4〜2日前 | 苦手な質問だけを短く練習する | 練習は本人に頼まれたときだけにする。受験票・筆記用具・服装を確認する |
前日 | 持ち物の最終確認、早めに寝る | 新しい指摘はしない。「ここまでよく準備したね」と声をかける |
当日 | 時間に余裕をもって出発する | 朝食を用意して送り出す。終わったあとは結果や出来を問い詰めない |
直前に新しい質問や厳しい深掘りを増やすと、答えが固まりきらないまま本番を迎え、かえって不安が大きくなることがあります。この時期は、これまで練習してきた答えを落ち着いて話せるかの確認にとどめましょう。お子さんが不安を口にしたときは、アドバイスより先に「そう感じるよね」と受け止めることが、親にしかできないサポートです。
面接の日程や形式は、大学によって違います。複数校を受ける場合は、面接日から逆算して、いつ誰と練習するかを決めておくと慌てずに済みます。アオマルの「受験スケジュール」では、志望校を登録すると、出願期間・試験日・合格発表などの日程と志望校ごとの「やること」をカレンダーでまとめて管理でき、入試情報の「選考の流れ」で面接の有無も確認できます。お子さんがToDoのリンクを保護者に共有したり、毎週のやることを保護者にメールで通知したりできるので、親も面接日や準備の進み具合を把握しやすくなります。受験スケジュールは無料で使えます。日程は募集要項をもとにまとめた情報なので、最新の内容は必ず募集要項で確認してください。
前日の過ごし方や、緊張をやわらげる方法は、こちらの記事が参考になります。
▶ 面接前日の準備で合否が変わる|総合型選抜の「今夜やること」完全ガイド
▶ 総合型選抜の面接で緊張しない方法|本番で頭が真っ白にならないための対策とメンタル管理術を解説
保護者向けのほかの記事もあわせてどうぞ。
▶ 子どもが「総合型選抜を受けたい」と言ったら|親が最初に確認する5つのこと
▶ 子どもの志望校が決まらないときの親の関わり方|聞き方・NGな言葉・決める時期
▶ 総合型選抜で合格したら親がやること|入学手続・入学金の期限と一般選抜との関係
面接練習と親の関わり方のよくある質問
親が面接官役をすると、子どもが嫌がります。どうすればいいですか?
無理に続ける必要はありません。「質問を読み上げるだけで、評価はしない」と最初に約束すると、受け入れてもらいやすくなります。それでも嫌がる場合は、先生やAI模擬面接での練習を中心にし、親は日程や体調の管理に回りましょう。
面接に詳しくない親でも、練習相手になれますか?
なれます。親の役割は、質問を読み上げ、聞いていて伝わったかどうかを返すことです。評価の観点が必要な部分は、学校の先生やAIの分析に任せれば問題ありません。
家族との面接練習は、どのくらいの頻度でやればいいですか?
答えがある程度固まってきた本番の1か月前ごろから、週末に1回、15分前後の通し練習を目安にすると続けやすいです。平日はお子さんが一人で練習したり、AI模擬面接を使ったりして、家族との練習は通しの確認に使いましょう。
練習のたびに親子げんかになってしまいます。
フィードバックを「よかった点1つ、直すとよい点1つ」に限り、言い方を疑問の形にすると、ぶつかりにくくなります。練習の時間を15分と決め、終わったら面接の話はしないと区切るのも効果的です。
親が面接官役のときに、聞かないほうがいい質問はありますか?
家族の収入や家庭の事情に関わる質問、「本当は第一志望じゃないんでしょ」のように本人を追い詰める質問は避けましょう。親子だからこそ出てしまう質問ほど、練習の雰囲気を悪くしがちです。迷ったら、この記事の質問リストの範囲で練習し、厳しい深掘りは先生やAI模擬面接に任せてください。
オンライン面接の練習も家でできますか?
できます。パソコンやタブレットのビデオ通話を使い、別の部屋から親が質問すると本番に近い形で練習できます。カメラの位置、背景、声の聞こえ方も一緒に確認しておきましょう。
まとめ:親は「面接官役」と「聞き手」に徹する
総合型選抜の面接練習で、親が答えを教える必要はありません。質問を読み上げ、伝わったかを返し、本番前の生活を整えることが、お子さんにとって一番の支えになります。この記事のポイントを整理します。
- 家族の練習は回数を増やすのに向いている。評価の観点は先生やAIと役割を分ける
- 志望理由書のコピーと質問リストを用意し、入室から退室まで通しで15分前後行う
- 質問は「志望理由・高校生活・自分自身・将来・時事」の5つから選ぶ
- フィードバックは、よかった点1つと直すとよい点1つ。答えの中身は作り直さない
- 本番1週間前は通し練習を2〜3回にとどめ、移動・持ち物・睡眠を整える
アオマルでは、平日にAI模擬面接で答えを固め、週末に家族と通し練習をする、という進め方ができます。志望校検索と受験スケジュールは無料で使え、面接対策などの対策機能も全9機能を各2回まで無料で試せます。
この記事を書いているのは

坂本浩一 ❘ 東京大学卒・総合型選抜対策専門
東京大学卒。総合型選抜専門塾にて小論文・志望理由書・面接対策を中心に多数の受験生を指導。これまでに難関国公立・私立大学への合格者を多数輩出してきた。総合型選抜において重要なのは「表現力」ではなく「思考力と一貫性」であるという信念のもと、再現性のある指導を徹底。大学入試改革やAI活用にも精通し、現在は株式会社mugendAIにて総合型選抜対策AIの監修を担当。受験生が“本質的に考える力”を身につける支援を行っている。