
総合型選抜の志望校の選び方|偏差値だけで選ぶと失敗する理由と5つの判断軸を高校生向けに解説
「総合型選抜で受けたいけど、どの大学を選べばいいかわからない」——そんな悩みを抱えている高校生は少なくありません。一般選抜とは異なり、総合型選抜の志望校選びは偏差値だけを見ていると大きな失敗につながります。この記事では、総合型選抜特有の志望校の選び方を、5つの判断軸・逆算フロー・チェックリストを使って体系的に解説します。「まだ志望校が決まっていない」という段階から読み始めても、最後まで読めば具体的な次の一手が見えてくる内容になっています。国公立と私立の違い、高2・高3別の動き方に加え、「評定が足りない場合の対処法」「志望校を途中で変更・追加したい場合の考え方」「何校受けるべきか」といった実務的な疑問にもしっかり答えます。自分の状況に合った箇所から確認してみてください。
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総合型選抜の志望校選びが「普通の受験」と根本的に違う理由
一般選抜では、まず偏差値を確認し、自分の学力と照らし合わせて「安全校・実力校・チャレンジ校」を並べるのが定番の志望校選びです。しかし総合型選抜では、この発想をそのまま持ち込むと高確率で失敗します。
総合型選抜の選考で最も重視されるのは「アドミッションポリシー(AP)」との一致度です。アドミッションポリシーとは、大学・学部が「どんな学生に入学してほしいか」を明文化した方針のことです。総合型選抜はこのAPに基づいて選考が行われるため、学力が高くてもAPと自分の関心・実績・価値観がずれていれば、書類審査の段階で落とされてしまいます。
逆に言えば、偏差値的には難関校でも「APが自分の強みとぴったり合っている」と感じる大学には、積極的に挑戦できる可能性があります。これが総合型選抜の大きな特徴であり、一般選抜とは根本的に異なる点です。
総合型選抜の基本的な仕組みについては、▶ 総合型選抜とは?AO入試との違い・メリットデメリット・向いている人を高校生向けにわかりやすく解説で詳しく解説しています。まだ制度の全体像が曖昧な方は先にこちらを確認しておくと、この記事の内容がより深く理解できます。
また、総合型選抜と学校推薦型選抜のどちらを選ぶか迷っている場合は、▶ 総合型選抜と学校推薦型選抜の違いを徹底比較|仕組み・評定・向いている人・選び方を高校生向けに解説も参考にしてください。
志望校選びの5つの判断軸
総合型選抜で志望校を選ぶ際には、以下の5つの軸で大学を評価することが重要です。それぞれの軸について「確認すべきこと」と「確認方法」を整理しました。
判断軸 | 確認すべきこと | 確認方法 |
|---|---|---|
①アドミッションポリシーとの一致度 | 大学が求める人物像・学びへの姿勢が自分と合っているか | 大学公式サイトのAP・募集要項を精読する |
②評定・出願資格の確認 | 評定平均の基準値、出願に必要な資格・活動実績があるか | 募集要項の出願条件欄を確認する |
③選考方式の比重 | 書類・面接・小論文のどれが重視されるか、自分の強みと合っているか | 選考フロー・配点・審査内容を確認する |
④倍率・難易度の現実 | 合格の難易度、競争倍率の実態を把握しているか | 大学公式の入試結果、予備校データを調べる |
⑤入学後のビジョンとの接続 | 入学後のカリキュラム・研究室・進路が自分のやりたいことと一致するか | シラバス・オープンキャンパス・在学生の声を調べる |
①アドミッションポリシーとの一致度
APは大学の公式サイトに必ず掲載されています。「○○学部が求める人物像」「ディプロマポリシー(卒業時に身につけるべき能力・資質を示した方針)」といった項目とセットで読むと、大学が学生に何を期待しているかが明確になります。
たとえば「社会課題の解決に主体的に取り組む人材を育てる」というAPを掲げている大学なら、ボランティア活動・地域連携の探究活動・NPOへの関与などの実績を持つ受験生が評価されやすいです。APを読んだときに「これ、自分のことだ」と感じられる大学を優先的にリストアップしましょう。
APには「求める人物像」だけでなく「入学前に身につけておいてほしい力」も書かれていることがあります。自分の活動実績や関心がAPの言葉と重なる部分が多ければ多いほど、志望理由書や面接での説得力が増します。一致点が3つ以上見つかる大学を第一志望の候補として絞り込んでいくのが現実的な進め方です。
②評定・出願資格の確認
総合型選抜では評定平均の基準を設けている大学が多くあります。「評定3.5以上」「評定4.0以上」といった条件が出願要件に明記されている場合、それを満たしていなければそもそも出願できません。また、英語資格(英検・TOEICなど)や特定の活動実績を求める大学もあります。
評定の基準は学部・選考区分によっても異なるため、「学部名」だけで判断せず、必ず該当の選考区分の募集要項を確認してください。たとえば同じ大学の同じ学部でも、「特定分野に秀でた者対象」の区分と「一般的な総合型選抜」の区分では評定基準が異なるケースがあります。志望校候補が決まったら、必ず募集要項の出願条件を最初に確認することを習慣にしてください。
現時点で評定が基準に届いていない方は、後述の「評定が足りない・実績がない場合の志望校の絞り方」も必ず確認してください。評定が低くても出願できる選考区分や、実績でカバーする方法を具体的に解説しています。
③選考方式の比重
総合型選抜の選考内容は大学によって大きく異なります。書類審査のみで1次選考を通過できる大学もあれば、小論文・プレゼンテーション・グループディスカッションなど多様な選考を課す大学もあります。自分が「書くことは得意だが、即興での発言は苦手」なら書類・志望理由書の比重が高い大学を選ぶなど、自分の強みと選考形式を照合することが重要です。
また、国公立大学の総合型選抜では共通テストの成績を選考に組み込むケースが増えています。「共通テスト利用あり」の大学を受ける場合は、一般選抜との学習計画を並行して立てる必要があります。
④倍率・難易度の現実
総合型選抜の倍率は大学・学部によって3倍台〜10倍以上まで大きな幅があります。人気学部では20倍を超えるケースも珍しくありません。「総合型選抜は一般より受かりやすい」という思い込みは危険です。倍率の実態については、▶ 【2027年度入試】総合型選抜の倍率・難易度を徹底解説|大学別データ・合格率の読み方・受かるための条件を高校生向けにまとめで詳しく解説しています。
倍率を調べる際は「応募倍率」だけでなく「最終選考(面接)の倍率」も確認するようにしましょう。書類で多くが絞られる大学では、面接まで残れれば合格率が一気に上がることもあります。
⑤入学後のビジョンとの接続
面接では「入学後に何をしたいか」「卒業後のキャリアをどう描いているか」を必ず聞かれます。志望校を選ぶ段階から、入学後のカリキュラムや研究内容、就職・進学実績を確認しておくことが大切です。「なんとなく雰囲気が好き」ではなく、「この大学でしかできないこと」を言語化できるかどうかが、面接での説得力に直結します。
具体的には、大学公式サイトのシラバス(授業計画)・ゼミ・研究室の紹介ページを読み、「自分が4年間学びたい内容と一致しているか」を確認してください。オープンキャンパスで在学生や教授に直接話を聞くと、パンフレットには載っていないリアルな情報が得られます。
国公立と私立、どちらを選ぶべきか?総合型選抜の違いを比較
総合型選抜を考えるとき、「国公立を狙うべきか、私立を主軸にすべきか」という疑問を持つ高校生は多いです。両者は総合型選抜の仕組みにおいて重要な違いがあるため、自分の状況に合った選択をするために比較しておきましょう。
比較項目 | 国公立大学 | 私立大学 |
|---|---|---|
専願義務 | 原則あり(合格=入学が前提) | 大学による(専願・併願可の両方が存在) |
出願・選考日程 | 9〜11月出願、11〜12月選考が多い | 9〜11月に集中、早い大学は8月から |
評定の重み | 重視されることが多い(4.0以上を求める大学も) | 大学・学部によって差が大きい(3.0以下でも可の場合あり) |
共通テストとの関係 | 共通テストを選考に組み込む大学が多い | 共通テスト不要の大学が多い |
難易度感 | 全体的に高め。募集人数が少ない | 幅広い。難関私立は国公立同等の準備が必要 |
国公立大学の総合型選抜を選ぶべき人は、評定が高く(目安として3.8〜4.0以上)、共通テストの学習も並行して進められる人です。国公立の総合型選抜は専願が原則のため、「この大学でなければ」という強い志望動機が必要です。たとえば▶ 【2027年度】九州大学の総合型選抜の情報まとめ|出願条件・倍率・選考方法を解説や▶ 【2027年度】筑波大学の総合型選抜の情報まとめ|出願条件・倍率・選考方法を解説のように、国公立大学の総合型選抜は各大学の個別情報を事前にしっかり調べることが不可欠です。
私立大学の総合型選抜を主軸にすべき人は、評定がやや低め(3.5前後)でも活動実績や個性でアピールできる人、あるいは共通テストに自信がない人です。私立は選考方式の多様性が高く、プレゼンや面接が得意な人が有利になりやすい大学も多くあります。
国公立・私立のどちらを主軸にするかは、「評定の現状」「共通テストへの対応力」「専願を受け入れられるほどの志望動機があるか」の3点で判断するのがおすすめです。どちらか一方に絞る必要はありませんが、国公立を第一志望にする場合は私立の総合型選抜との日程調整が重要になります。
「自分の強み」から逆算して大学を探す手順
総合型選抜の志望校選びで最も重要な考え方は「大学を探す」のではなく「自分の強みに合う大学を逆算して探す」という発想の転換です。以下のフローに沿って進めてみてください。
STEP1:自己分析
過去の経験・活動・関心を棚卸しします。部活・ボランティア・探究活動・読んだ本・感動した出来事など、時系列で書き出してみましょう。
STEP2:強みの言語化
「自分が一番熱中できること」「他者と違う視点・経験」を3つ以内に絞ります。たとえば「地域の過疎化問題に取り組んだ探究活動」「障がい者スポーツへの関心と実践」のように、具体的なエピソードと結びついた形で言葉にしてください。
自分の強みをどう言葉にすればいいか迷ったら、アオマルのAI自己分析機能を使うと、質問に答えるだけで強みを整理できます。STEP1〜2が最初の壁になりがちですが、AIとの対話を通じて「自分でも気づいていなかった強み」が見えてくることがあります。「自分の強みがわからない」という方は、▶ 総合型選抜の自己分析のやり方|過去・現在・未来を整理するステップと志望理由書への活かし方を高校生向けに解説も参考にしながら取り組んでみてください。
STEP3:アドミッションポリシーに照らす
自分の強みが「刺さる」APを持つ大学・学部を具体的な方法で探しましょう。以下の手順が実践的です。
- マナビジョン(旺文社)・パスナビ(河合塾)を活用する:学部系統や地域で絞り込んだうえで、各大学のAP・入試情報ページを比較できます。「総合型選抜あり」のフィルターをかけると候補校が一覧で確認できて便利です。
- 大学公式サイトの「入試情報」ページを直接確認する:各大学の公式サイトには「アドミッションポリシー」「入学者の受け入れ方針」などの項目があります。ここに掲載されているAPの文章を、自分の強みと照らし合わせながら読んでみてください。
- Googleで「○○ アドミッションポリシー ○○(キーワード)」と検索する:たとえば「地域創生 アドミッションポリシー 国公立」「福祉 総合型選抜 アドミッションポリシー」のように、自分の関心領域のキーワードとAPを組み合わせて検索すると、自分の強みに近いAPを持つ大学が見つかりやすくなります。
STEP4:候補校リストアップ
APが一致する大学を第一志望・第二志望・併願校として5〜8校リストアップします。この段階では「絞りすぎない」ことが大切です。
STEP5:出願条件・選考方式の照合
評定・資格・選考内容を確認し、現実的に出願できる大学を絞り込みます。
STEP6:志望校の決定
第一志望1〜2校・併願校2〜3校の組み合わせを設計して完成です。
高2・高3別 志望校を決めるタイミングと動き方
「志望校はいつまでに決めればいいの?」「高2のうちから考える必要がある?」という疑問を持つ高校生は多いです。総合型選抜は準備に時間がかかるため、動き出すタイミングが合否に直結します。以下の表を参考に、自分の学年に合った行動を確認してください。
時期 | やること | ポイント |
|---|---|---|
高2秋〜冬 | 自己分析・関心領域の整理、オープンキャンパス(秋開催)への参加 | 「何に興味があるか」を言語化し始める段階。志望校はまだ決めなくてOK |
高3春(4〜5月) | 候補校のAPを読み込み、5〜8校のリストを作成 | 評定・出願資格の確認もこの時期に済ませる |
高3夏(6〜8月) | オープンキャンパス参加・志望理由書の下書き開始、出願校を3〜4校に絞る | 夏のオープンキャンパスが最後のチャンスになることが多い |
高3秋(9〜10月) | 出願・1次選考(書類審査) | 出願書類の最終確認と提出。日程管理が重要 |
高3冬(11〜12月) | 2次選考(面接・小論文など) | 第一志望の結果を受けて、一般選抜の準備も並行する |
高2のうちに志望校を「確定」させる必要はありません。ただし、「どんな分野に関心があるか」「どんな活動実績を積みたいか」の方向性は高2秋までに持っておくと、高3での動きがスムーズになります。
特に国公立大学の総合型選抜を狙う場合は、共通テストの準備も並行して進める必要があるため、高2のうちから学習計画を立てておくことが重要です。総合型選抜の準備を高2のうちから計画的に進めたい方は、▶ 総合型選抜の高2スケジュール完全版|いつから何を準備する?月別やることリストを徹底解説も参考にしてください。
志望校の数と組み合わせの考え方
総合型選抜では、志望校の「数と組み合わせ」の設計が非常に重要です。一般選抜のように複数校を同時期に受験することが難しいという特性があるためです。
何校受けるのが適切か
「何校受けるべきか」という疑問に直接答えると、総合型選抜での出願は3〜4校が現実的な上限です。その理由を3点に整理します。
- 志望理由書の作成コスト:大学ごとにAPが異なるため、志望理由書は基本的に使い回しができません。1校あたり数百字〜2,000字超の文章を複数本同時に仕上げるのは、質の低下を招きます。
- 日程重複リスク:総合型選抜の選考は9〜11月に集中しており、複数校の面接・二次選考が重なるケースが珍しくありません。5校以上を受けようとすると、物理的に日程が組めなくなることがあります。
- 専願義務の存在:国公立大学の総合型選抜は原則専願のため、合格後に辞退することができません。「とりあえず受けてみる」という感覚で出願すると、後で困る事態になります。
パターン別の推奨校数
自分の状況に合わせて、以下の表を参考に受験校数を設計してください。
パターン | 推奨校数 | 組み合わせの考え方 |
|---|---|---|
国公立第一志望パターン | 総合型2〜3校(国公立1校+私立1〜2校) | 国公立は専願のため1校に絞る。私立は日程が重ならない範囲で1〜2校追加し、一般選抜も並行して対策する |
私立複数パターン | 総合型3〜4校(私立のみ) | 第一志望1〜2校+安全校1〜2校の組み合わせ。専願・併願条件を確認しながら日程を分散させる |
総合型+一般選抜併用パターン | 総合型2〜3校 | 総合型の準備と一般選抜の勉強を両立させるため、総合型の出願校は絞り込む。書類の質を優先する |
「倍率が低いから」という理由だけで第二志望を選ぶのは危険です。APとの一致度が低い大学を受けても、面接で「なぜこの大学を選んだのか」という質問に説得力を持って答えられず、かえって不合格になりやすくなります。出願する大学は多くても3〜4校程度に絞り、1校1校の準備の質を高めることを最優先にしてください。
評定が足りない・実績がない場合の志望校の絞り方
「評定が基準に届いていないから、総合型選抜は無理かもしれない」と諦めかけている方もいるかもしれません。しかし、評定が足りなくても諦めないでください。総合型選抜には、評定不問または低評定でも出願できる選考区分が数多く存在します。
評定帯別の推奨アクション
評定の状況 | 主な対応策 |
|---|---|
評定4.0以上 | 国公立・難関私立を含めて幅広く出願可能。APとの一致度を最優先に志望校を絞る |
評定3.5〜3.9 | 私立大学の総合型選抜が主戦場。活動実績・志望理由書の質で勝負できる |
評定3.0〜3.4 | 評定不問または活動実績重視型の選考区分を持つ私立大学を中心に探す。英検等の資格取得でカバーできるケースもある |
評定3.0未満 | 課題提出型・特技型など評定を選考基準としない区分を持つ大学を重点的に探す。実績の言語化に注力する |
評定が低くても出願できる選考区分の種類
総合型選抜には、評定平均を出願条件としない(または低評定でも可とする)選考区分が存在します。代表的なものを以下に挙げます。
- 活動実績重視型:部活・ボランティア・探究活動・起業・社会貢献活動などの実績を中心に評価する区分。評定よりも「何をやってきたか」が問われます。
- 課題提出型(プレゼン・論文型):与えられたテーマについてレポートや論文・プレゼンテーションを提出・発表する形式。学力や思考力を直接示せるため、評定が低くても実力でカバーしやすいです。
- 特技・資格型:スポーツ・芸術・語学など特定分野の実績や資格(英検準1級以上など)を重視する区分。英検2級以上を保有している場合、評定の低さを補える大学もあります。
たとえば▶ 【2027年度】広島大学の総合型選抜の情報まとめ|出願条件・倍率・選考方法を解説や▶ 【2027年度】岡山大学の総合型選抜の情報まとめ|出願条件・倍率・選考方法を解説のように、国公立でも選考区分によって出願条件が異なる場合があります。「評定が足りないから国公立は諦める」と決めつける前に、各大学の募集要項を選考区分ごとに確認することが大切です。
評定を今から上げる選択肢も検討する
高2〜高3一学期の定期試験は、評定を上げる最後のチャンスです。総合型選抜の出願に使われる評定は「高校1年生から出願時点までの全学期の成績」が基準となるため、高3一学期の成績も反映されます。高3春(4〜5月)の段階で評定が基準を下回っている場合でも、高3一学期の定期試験に全力を注ぐことで評定を引き上げられる可能性があります。タイムラインの表(前述)と照らし合わせながら、「評定を上げる努力」と「評定不問の選考区分を探す」の両方を並行して進めることをおすすめします。
自分の活動実績がどの大学のAPと合うかを整理するのに、アオマルのAI自己分析機能が役立ちます。評定が低くても、実績をしっかり言語化することで十分にアピールできる可能性があります。まずは自分の強みを整理することから始めてみてください。
志望校を変更・追加したくなったときの判断基準
高3夏以降、「やっぱり別の大学を受けたい」「第一志望の1次選考が通らなかったので追加で受けたい」という状況になることがあります。志望校の変更や追加は決して珍しいことではありませんが、判断を誤ると時間と労力を無駄にしてしまいます。以下のチェックリストで冷静に判断してください。
志望校変更・追加の判断チェックリスト
- [ ] 変更後の大学のAPと自分の強みが一致しているか:変更する最大の理由はここです。「なんとなく受けやすそう」ではなく、APとの一致度を最初に確認してください。
- [ ] 出願・選考の日程に間に合うか:変更を検討した時点で、志望する大学の出願締切・選考日を確認してください。志望理由書の作成には最低でも2〜3週間は必要です。
- [ ] 変更の理由を面接で説明できるか:面接では「なぜこの大学を選んだのか」を問われます。「他の大学に落ちたから」では説得力がありません。「この大学のAPのどこに共鳴したか」を自分の言葉で語れるかを確認してください。
- [ ] 書類作成の時間的・体力的な余裕があるか:追加受験の場合、すでに進行中の選考と並行して新たな志望理由書を仕上げることになります。質を担保できる余裕があるかを現実的に判断してください。
変更・追加の際に特に注意すべきこと
変更自体は問題ありません。しかし、変更後の大学のAPと自分の強みの一致を必ず再確認することが最重要です。変更前の大学向けに書いた志望理由書を流用しようとすると、APとのズレが生じて書類審査で落とされるリスクが高まります。変更後の大学のAPを改めて精読し、自分の強みとの接点を一から整理し直す姿勢が必要です。
追加受験を検討するタイミングとしては、「第一志望の1次選考(書類審査)の結果が出た後」が一般的です。1次不合格が確定した段階で、日程的に間に合う大学を探し、APとの一致度を確認したうえで出願を判断するという流れが現実的です。ただし、複数の選考が同時進行する状況は精神的にも体力的にも負荷が高いため、追加は1校を上限の目安とすることをおすすめします。
志望校選びでよくある失敗パターンとチェックリスト
よくある失敗パターン
パターン1:「なんとなく有名校だから」で選ぶ
大学の知名度や偏差値ランキングだけを見て志望校を決めると、APとの一致度が低く、書類・面接で「なぜこの大学でなければならないか」を語れなくなります。総合型選抜において「熱意の言語化」ができない志望校選びは致命的です。
パターン2:「倍率が低いから受かりやすそう」で選ぶ
倍率が低い学部・大学は、それだけ志願者が少ないということでもあります。自分の関心・強みと全くずれた大学を「受かりやすそう」という理由だけで選ぶと、書類も面接も薄い内容になり、結果として合格が遠のきます。
パターン3:APを読まずに出願する
APを確認せずに「学部名」だけで志望校を決めてしまうケースも多いです。同じ「経営学部」でも、APが「グローバルビジネスリーダーの育成」を掲げる大学と「地域中小企業の支援人材の育成」を掲げる大学では、求める人物像が全く異なります。
パターン4:オープンキャンパスに行かずに出願する
「遠いから」「時間がないから」という理由でオープンキャンパスをスキップしたまま出願するのも、よくある失敗パターンです。面接では「なぜこの大学でなければならないのか」を具体的に語ることが求められますが、実際にキャンパスを訪れていないと「パンフレットに書いてあること」しか言えず、説得力が生まれません。たとえば「オープンキャンパスで教授に直接話を聞いて、この研究室でなければと確信した」という体験を語れる受験生と、パンフレットの情報だけで話す受験生では、面接官に与える印象が大きく異なります。夏のオープンキャンパスは出願前の最後のチャンスになることが多いので、必ず参加するようにしてください。
出願前チェックリスト10項目
以下の項目を出願前に必ず確認してください。
- [ ] アドミッションポリシーを精読し、自分の強みとの一致点を3つ以上挙げられる
- [ ] 評定平均が出願基準を満たしている
- [ ] 必要な英語資格・検定・活動実績の条件を確認した
- [ ] 選考スケジュール(出願期間・選考日)を把握し、他校と日程が重なっていない
- [ ] 選考形式(書類・面接・小論文・プレゼンなど)を確認し、対策が取れる
- [ ] 志望理由書の字数・形式・提出方法を確認した
- [ ] 倍率・過去の合格者数などの難易度データを調べた
- [ ] オープンキャンパスや説明会に実際に参加し、「この大学でしか学べないこと」を自分の言葉で語れる
- [ ] 「この大学でなければならない理由」を自分の言葉で説明できる
- [ ] 総合型選抜が不合格だった場合の一般選抜の備えを検討している
志望校が決まったら次は志望理由書の準備です。アオマルではAPと自分の強みを照らし合わせながら志望理由書を書く練習をAIと一緒に進められます。チェックリストをクリアしたら、ぜひ志望理由書の作成にも着手してみてください。
志望校が決まったら次にやること
志望校が絞り込めたら、いよいよ出願書類の準備に入ります。総合型選抜の出願で最も重要な書類が「志望理由書」です。APと自分の強みの一致度を文章として具体的に表現するのが志望理由書の役割であり、ここで合否が大きく左右されます。
志望理由書の書き方については、▶ 志望理由書の書き方|何を書く?どう始める?ステップ順に高校生向けゼロから解説【総合型選抜】で詳しく解説しています。
また、国公立大学の総合型選抜を志望する場合は、各大学の選考内容を個別に確認することが欠かせません。たとえば▶ 【2027年度】大阪大学の総合型選抜の情報まとめ|出願条件・倍率・選考方法を解説や▶ 【2027年度】東北大学の総合型選抜の情報まとめ|出願条件・倍率・選考方法を解説のような大学別の情報ページも活用して、出願条件・選考方法を具体的に把握しておきましょう。
まとめ
総合型選抜の志望校選びは、偏差値起点の一般選抜とは根本的に異なります。この記事で解説したポイントを改めて整理します。
- 総合型選抜はアドミッションポリシーとの一致度が合否を左右するため、APの精読が最初の一歩
- 志望校選びの5つの判断軸(AP一致度・出願資格・選考方式・倍率・入学後のビジョン)を必ず確認する
- 国公立は専願・評定重視・共通テスト必要なケースが多く、私立は選考方式の多様性が高い。自分の状況に合った主軸を選ぶことが重要
- 「大学を選ぶ」ではなく「自分の強みに合う大学を逆算して探す」という発想が重要。マナビジョン・パスナビ・大学公式サイト・Google検索を組み合わせて探す
- 高2秋から情報収集を始め、高3夏までに出願校を確定させるタイムラインを意識する
- 志望校は多くても3〜4校に絞る。理由は「志望理由書の作成コスト」「日程重複リスク」「専願義務」の3点にある。国公立第一志望なら総合型2〜3校、私立複数パターンなら3〜4校が目安
- 評定が足りなくても諦めないでください。活動実績重視型・課題提出型・特技型など評定不問の選考区分を持つ大学を探すこと、英検等の資格でカバーする方法を検討することが有効な対策
- 志望校を変更・追加したい場合は、「APとの一致度」「日程の余裕」「面接での説明可能性」「書類作成の余力」の4点で判断する
- 「有名校だから」「倍率が低いから」「オープンキャンパスに行かなくていいや」という判断は失敗のもと
- 出願前チェックリスト10項目を必ず確認してから出願する
志望校のAPと自分の強みが本当に一致しているかを確かめるには、まず自己分析を言語化することが先決です。「自分の強みが何かまだわからない」「どの大学のAPが自分に合っているかわからない」という段階から、アオマルのAIサポートを活用することで、自己分析の整理から志望理由書の言語化まで一体で進めることができます。
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この記事を書いているのは

つき ❘ 東大推薦合格者
東京大学法学部在学。学校推薦型選抜(旧推薦入試)で合格。受験当時は自己分析・志望理由書・小論文対策に徹底的に向き合い、独自に思考整理法を確立。受験生目線でのリアルな課題やつまずきポイントを踏まえた発信を行っている。現在は株式会社mugendAIの教育コンテンツ制作に参画し、総合型選抜対策の実践的なノウハウを発信中。「東大推薦合格者として伝えられるリアル」を大切にしている。
